<C56 160>―<京都鉄道博物館>(2016.11.28)

↓車庫から出した状態で、扇形機関庫周囲に敷かれた特徴的な様子の軌道上で、射し込む晩秋の陽光に鈍い輝きを見せている蒸気機関車…
Kyoto Railway Museum on NOV 28, 2016 vol01 (29)
↑<京都鉄道博物館>に在る、動態保存の、実際に走行することが出来る蒸気機関車の1輛である<C56 160>だ。

何か「酷く懐かしい」という想いでこれを眺めていた…

<C56 160>は現在でも各地でイベント列車の客車を牽引している。最近は滋賀県内での<SL北びわこ>での出番が多い様子だが、<SLやまぐち>の出番も在るらしい…

私自身が小学5年生か6年生の頃だったと思う。蒸気機関車が一線を退いて暫く経ったというような時代だったが、<SLやまぐち>の運行が始まり、他にも各地で「蒸気機関車が客車を牽引」というイベント列車が運転されるようになった。

そんな頃…この<C56 160>が北海道に運ばれて来て、札幌・小樽間で客車を牽引した。当然、乗客も集めた。2人分の乗車券の入手が叶い、私は弟と2人で出掛けて札幌・小樽間で<C56 160>が牽引した列車に乗車し、そこから普通列車を乗り継いで最寄りの新札幌駅に引揚げた…そんなことが在ったのだ。

そういう「少年の日の想い出」の中に登場する蒸気機関車と再会出来たことを喜んだ…

↓向きが変わって、光の当り方が変わると見え方も変わる…
Kyoto Railway Museum on NOV 28, 2016 vol01 (30)

<C56形>は1935(昭和10)年から1939(昭和14)年に160輛製造されている。国鉄の前身である鉄道省向けの他、樺太向けの4輛と民間向けの1輛も在るという。

<C56形>は、タンク式である小型の<C12形>を基礎に、テンダーを備えて長距離の運転が叶うようにしたという蒸気機関車である。方々で広く活躍出来たのだが、「小型軽量でありながら長距離運転が可能」という特性が注目され、1941(昭和16)年11月頃に160輛在った中の90輛がタイやビルマに送り出された。戦時の輸送で活躍したが、激しい戦いの中で多くの機関車が失われている。一部、使用に耐える状態で残った機関車は、タイ国鉄が戦後長く運用していたという…

こうして考えると…機関車のようなモノにも“物語”が在ることに思い至る…そしてこうした機関車は、私自身の想い出のように、人々の“物語”の中でも輝いている…
posted by Charlie at 07:32Comment(0)京都府

『天保年間の大坂』―<大阪くらしの今昔館>(2016.12.01)

「住まいの歴史と文化」をテーマにした博物館…こういうように聞くと、例えば様々な時代の住宅の様式を紹介するとか、人々が日常的に使っていた道具を紹介するとか、町並みの変遷を紹介するというような展示でもある、ハッキリ行って「地味」な学習の場という雰囲気を想起する…

勝手にそんなことを想いながら、「住まいの歴史と文化」をテーマにした博物館であるという<大阪くらしの今昔館>を訪ねてみた…

地下鉄の天神橋筋六丁目駅から地上への出口の一つとなっているビルに、その<大阪くらしの今昔館>が入っている。それが判って、建物に足を踏み入れた…

1階のエレベーター辺りに<大阪くらしの今昔館>のスタッフと見受けられる方が居たので、見学希望である旨を伝えると、「御手数だが、地下一階のエレベーターに乗る場所で並んで頂いている」との話し…そして地下一階に行けば…なかなかの行列…

行列を差配しているスタッフの皆さん…ハングルやら中国語やらを操っている…英語も日本語も飛び交う…何か外国人旅行者等に非常に人気が高い様子が伺える…

そして行列に加わって、入場することになった際、スタッフの方が「後刻、小学生の団体が校外学習で来るので御了承願う」というような話しもしている。勝手に、やや「地味」な感じで、大阪の街の変遷を学ぶような雰囲気を思い描いていたが…多数の外国人旅行客が溢れて、子ども達の校外学習…「どういう所なのか?」と不思議に思えて来た…

↓“順路”の誘導に従って最初に入った辺りで眼前に拡がった光景である…
The Osaka Museum of Housing and Living on DEC 01, 2016
↑江戸時代の街だ!私の感覚では…“火付盗賊改”の追跡をかわそうとする盗賊団の一味が蠢いているとか…トランペットが印象的なBGMが流れて、悪人を襲撃しようとする“仕事人”がじっと息を潜めているとか…そういう時代劇の場面を思わず思い浮かべてしまう…

画の右上を視れば、ビルの中の広いフロアを使って、街並みを作り込んだことが判ってしまうが、何となく視る分には「江戸時代の街に迷い込んだ」ような気にさえなってしまう…

やがて…「大阪市がビルの9階に、天保年間言いますから、1830年代の大坂の町をこしらえはった…」と大阪の噺家によるナレーション―何とも言えない、口上のリズム感が気に入ってしまった…その場に佇んで、数回繰り返して聴いた…―が聞こえる…“天下の台所”と言われていたような、近世、江戸時代の様子を紹介する、それも“実寸大”に設えた町並みの一部を使ってというのが、ここの目玉展示な訳だ…

↓表も裏も、手を抜かずに丁寧に再現している…
The Osaka Museum of Housing and Living on DEC 01, 2016
↑「映画のセットのようだ」とも思うが、映画では「写らない場所は何もしていない…」こともあるらしいから、これは或いは「映画のセット“以上”」である。建物の内部も、本当に「らしい」感じに設えられ、当時の日用品を模したモノが確り配置されている…

↓挙句の果てに、「屋根の上の猫達」まで作り込んでいる…
The Osaka Museum of Housing and Living on DEC 01, 2016 (2)
↑因みに、この場所に本物の生きている猫を放すと、狭いところにドンドン入り込んでしまって、ややこしいことになりそうだ…その位「リアル」な感じに町並みが設えられている…

こういう作り込んだ「天保年間の大坂」だが…この中を「着物に着替えて歩き回る」ということをやっている…「天保年間を疑似体験」という訳だ…これが外国人旅行者に大人気であるようで、天保年間も既に多くの人口を擁していた大坂と同じように、展示の中には大勢の着物の来訪者が溢れていた…

<大阪くらしの今昔館>は住宅や町並みの変遷を学ぶことが出来る場だが、同時に「昔の日本??」を疑似体験出来る、或る種の“テーマパーク”でもあると思った。そしてここは「市立の文化施設、学習施設」なので、入場料は非常に手頃なものである…着いた時に一寸驚いた行列の理由が判った気がする…

交通至便、愉しくて料金が手頃…意外に好い場所だ…
posted by Charlie at 01:00Comment(0)大阪府

淡路駅で待機中の阪急7300系電車(2016.11.28)

大阪市営地下鉄の堺筋線は、阪急の千里線と直通運転している。千里線は京都本線の支線で、淡路で乗り換えて京都本線の列車を利用すると京都市内の河原町駅までの区間に行くことが出来る…

↓大阪市営地下鉄の堺筋線にも阪急の車輛が走っているが、朝早くにそれに乗って、淡路に着く頃には「京都河原町方面は御乗換えです」の案内が在り、下車した手前に画のように列車が待機している…
Awaji Station on NOV 28, 2016
↑朝早くの時間帯は、少し後の優等列車に追い抜かれることなく、淡々と普通列車が走って河原町までの軌道を進む…停車している車輛は、1982年から1987年に製造されたという7300系電車だ。神戸線や宝塚線で用いられる、やや製造が先行していた7000系と並行して製造されていた京都線仕様の車輛とのことだ…

4月にも機会が在ったが、11月にも阪急の千里線と直通運転の地下鉄に乗車し、淡路駅で乗り換えて阪急の列車で京都に入るという機会が在った…そういう訳で「多少、馴染み…」になったので、この阪急京都線の列車や駅に親近感を抱いた訳だが…気になったのは「淡路駅は何処の市町村なのか?」という些末なことだった…調べると、大阪市東淀川区に在る駅だった…阪急京都線は、この淡路の先、大阪市東淀川区を走り続け、大阪府北部の各市を抜け、京都府に入って長岡京市、向日市を経て京都市内に入って行く…
posted by Charlie at 00:00Comment(0)大阪府