「見覚えが在るモノ」のようでいて「一寸違う…」というモノに出くわすと、何か酷く「気になる」ものだ…
↓こういう図に出会った…これは稚内では御馴染みなモノに酷似している。稚内の郷土資料館ということになる<北方記念館>に飾られている、1930年代の南樺太の図に酷似している図だ…

↑1930年代の樺太を紹介する日本の図に似ているのだが、ロシア語によるタイトルが冠せられていて、図上の地名等も悉くロシア語になっている…不思議だ…
これは<サハリン鉄道史博物館>に展示されているモノだ。制作年代を特定する資料が無いということだが、恐らく1940年代末から1950年代に入ったばかりの頃に制作されたモノと見受けられる。長く、サハリンの鉄道局長の執務室に飾られていたモノであるというが、1930年代の日本の図を模倣して作り込まれたモノであるらしい。が、決定的な違いは、サハリン州の管轄区域になった千島列島が詳しく描かれていることだ。これは稚内で視られる樺太の図には出ていないのだ…
日本の統治下だった樺太で整備された鉄道は、ソ連化された後も受け継がれて盛んに利用された経過が在る。この図には、1945年までに敷設が完了して運用されていた鉄道が、序にソ連化後も長く使用され続けた製紙工場のような産業施設が詳しく描き込まれている。一部に新規路線が敷設された経過も在るというが、この図に在る路線の一部は現在では使われなくなってしまっているモノも見受けられる…
この図…「ソ連化された1930年代の樺太の図」というモノが妙に興味深く、少しゆっくり眺めてしまったのだが…<サハリン鉄道史博物館>は小ぶりで地味ながらも、なかなかに興味深い展示に触れられる場所だ…