気温が下がって、そこから余り上昇しないというような状況になっていた。氷点下5℃程度の気温になっていたであろう。「吹き荒ぶ」というような次元でもないが、時折「やや強い…」と感じられる風も抜ける感の早朝だった…
本当に「極々短い散策」というもので、辺りを一回りして拙宅へ引揚げようとした時であった。歩いていた通の「目の先の低い位置」で何かが「すたすたと歩む」というように蠢いた…
最初に「猫?」と思ったが、次の瞬間に「猫としては大き過ぎないか?」という考えが頭に浮かんだ…
↓蠢いたモノは、道路上に停まって、そこに確りと座った…キタキツネだ…顔が向いているのは東寄りな空が見える方角だ…「今朝は朝陽の光が感じ悪いような空模様…」とでも考えているのか?

↑直ぐ脇を通り過ぎようという時、姿勢を低くして提げていたカメラで写真を撮った…
カメラに装着していたのは未だ入手したばかりの広角単焦点レンズであった。レンズの性質を御案内であれば、意外な程に近い位置でキタキツネの画を撮ったということが御理解頂けると思う。速い動きをする、大きな音を立てるというのではなく、静かに脇を歩き過ぎようかという具合で姿勢を少し低くするというようなことでカメラを向けても、キタキツネは動じるのでもない…
↓「あっ!どうも…おはようございます!」というような感じで、キタキツネはこちらに向き直った…

↑このキタキツネにとって、この「街の中」は既に「棲息領域の一部」なのであろうか?
この種の動物の「冬毛」は毛並みが美しい…文字どおりの“天然毛皮”に全身を包んだキタキツネは、氷点下5℃程度の中で普通に活動している…
この辺りに「時々見掛けるキタキツネ…」と、特定個体と見受けられるモノが徘徊している様子も窺える。或いはここで出くわしたのは当該の個体かもしれない…キタキツネに出くわすという程度のこと…稚内の街では、珍しいとは言い悪い。が、カメラを手にしていたタイミングに出くわして、何となく画に収められる機会は限られるかもしれない…
ここを通り過ぎた後、キタキツネは暫し画の場所に座ったままだった…