↓大阪城天守閣の直ぐ脇に在る建物だ…

この建物は、大阪城天守閣と同時期に登場した陸軍の第四師団司令部庁舎であった建物だ。嘗ては博物館に利用されたような経過が在ったようだが、現在は<MIRAIZA OSAKA-JO>(ミライザ大阪城)という商業施設になっている。
↓少し角度を変えると、建物前の植込みが好い感じに見えた…

現在の時点でこの建物を視れば「古風なビル」というように見えるが、1930年代初頭には「当世風」であった訳だ…
その当時は「大阪が“大大阪”と呼ばれた時代」で、「街のシンボル」として、嘗ての栄華を想わせる和風な大阪城天守閣を建てた。その直ぐ脇で、如何にも「当世風」なビルだ。この様子を視た建築家達の中に「和風な意匠を入れる建物を工夫して、大阪城天守閣との親和性を高めて、辺りをもう少し好い感じに?」と考えた人達が在ったようだ…
そういう辺りから、「コンクリート造の建物に、瓦屋根のような和風の意匠を添える」という
「帝冠様式」という建物が建てられるようになって行った。
「帝冠様式」は「過剰な装飾を排すべき…」ということになって1938年頃から廃れるが、1930年代には流行の様式となって行った…日本国内にもそういう建物が残っているが、満州や樺太にも登場している。
この建物自体は
「帝冠様式」でもないのだが、「登場の切っ掛けを作った建物」ということで、何となく注目してしまう…
↓嘗ては司令部庁舎の色々な部屋であった場所に店舗等が入っているのだが、館内の「往時は軍服姿の多くの関係者が行き交っていた…」と思えるような場所は、重厚な設えが残されている…

とにかく、これは「画になる建物」という感で、存外に気に入っている…
少し以前にゆっくり寄った経過も在ったが、近くまで行ったので眺めていたのだった…