201系電車:王子駅(2020.04.02)

龍田大社を訪ねようとしていた。

奈良と大阪とを結ぶ関西本線の一部、通称<大和路線>の列車で、奈良県の西寄りになる三郷駅―「みさと」だと思っていたが…「さんごう」という駅名である…―に至ると、龍田大社は近い…

奈良・大阪間は<大和路快速>と呼び習わされる列車が便利なのだが、三郷駅は快速列車が通過する駅だ…そこで三郷駅の1駅東側となる王子駅で乗換える。王子駅は幾つかの路線が交差する駅で、快速列車も各駅停車も停まる駅となっている。

↓王子駅で快速列車を下りると、直ぐに各駅停車が待機していた…
02-04-2020 Nara pref (13)
↑「やや懐かしい…」という感じの車輌が使われている…

この車輌は201系電車だ。初登場は国鉄時代の1979年であるそうだ。JR東日本とJR西日本が国鉄からこの車輌を受け継いだ。東京に在った学生時代に随分と見掛けていた型であるような気がするので、何か「懐かしいデザイン…」と感じてしまう。

JR東日本では、201系電車は老朽化したために退いてしまい、後継の車輌が活躍中である。対してJR西日本では、入替は順次進んではいるものの、未だ見掛ける機会は在る。この<大和路線>は、201系電車を見掛ける路線の一つということになる。

龍田大社を訪ねた後、大阪方面へ向かおうとした。三郷駅で大阪方向に進む列車の待ち時間がやや長かった他方、王子駅へ向かう列車は「間もなく…」という状況だった。そこで王子駅へ向かって、快速列車に乗って大阪市内へ向かうことにした…

↓再び、王子駅のホームへ…201系電車に運んで頂いた訳だ…
02-04-2020 Nara pref (18)

JR西日本は、国鉄時代の車輌をJR東日本やJR東海よりも長く使う傾向に在るように見えるのだが、それでも近年は順次新しい車輌に入替っている。この201系電車に関しても、「2023年頃に…」という話しが在るようだ。さり気なく見掛けて、そして乗車出来るのも、あと数年である…

居室…:奈良(2020.03.31)

↓奈良の宿の居室である…
31-03-2020 Nara (13)
↑扉を開けて入室すれば狭い三和土のようになっていて、室内は畳が敷かれ、そこにベッドが置かれ、座椅子に陣取って使う高さのテーブルが在る…

なかなかに居心地が好く、何となく「一寸の間、“別宅”を借りて奈良の街に住む」という気分になった…

この居室の窓からは、旧駅舎を利用した案内所が在る奈良駅前の様子がよく視えて、なかなかに好い!

早朝:稚内港北防波堤ドーム(2020.04.19)

例によって(?)、朝から「極々短い散策」に出てみた。愛用の<X100F>を何となく提げて出た…

↓明るい感じだが、光が淡いような気がした…
19-04-2020 morning (2)

↓午前4時半というような頃だが、天の感じが刻々と変わるような状況だった…
19-04-2020 morning (3)

↓少し高い辺りに上ると、静かな海面が覗く…
19-04-2020 morning (6)

↓海側へ廻り込んだ…
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↓朝陽が少し覗き始めた…
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↓朝陽が高くなって行く様子が視えたが…朝陽そのものは「御簾の奥の貴人」というような具合で、薄い雲越しに光を放っているような感に視えた…
19-04-2020 morning (16)

↓海面に「光の路」が視えるが…視える位置が画の左側になって来た…これは“夏季”の位置へ向かっているということになる…
19-04-2020 morning (18)

気温の感じは、何となく「春がもう少し先」という感だが、光と太陽の位置は春の状態となっている感だ…

宇治上神社…(2020.03.30)

<平等院>が圧倒的に有名な宇治に在って、「非常に有名な神社」というモノも在る…

↓宇治上神社(うじがみ神社)である…
30-03-2020 Kyoto vol01 (92)
↑宇治神社の直ぐ近くで「対を成す」かのように鎮座する社である…

↓境内へ入っていく辺りの鳥居の脇に在る桜が「花盛り」で実に美しかった…
30-03-2020 Kyoto vol01 (94)

この宇治上神社は「ユネスコ世界遺産」の「古都京都の文化財」の“構成資産”の1つなのだそうだ…京都市、宇治市、大津市に点在する17件の文化財が登録されているという。

個人的には、「ユネスコ世界遺産」には然程の関心を寄せていない。古くから伝えられる様々な文化財には各々に価値が在る。中には、様々な国々の人達がその価値を尊びたいとするようなモノも在るのであろう。が、文化財はそれを愛でれば、敬えば、それで十分だ。「世界○○」等と“権威付け”をしようがしまいが、文化財そのものの尊さに何ら変わりは無い筈だ。そうした文化財等は、粗末にせずに、可能なように護って未来へ伝えるようにすれば善いというだけだと思う。

そういうように思っているので、<世界遺産 「古都京都の文化財」>ということになっている17件を特段に把握はしていない…<世界遺産 「古都京都の文化財」>には「“京都”とでも聞けば、誰もが思い浮かべるような著名な場所、建物」が含まれているのであろうという程度に思っていた。宇治上神社がそれの中に含まれていることを示す、境内の入口辺りに掲げられた石柱は「やや意外?」と思った。

↓こちらが拝殿だ…
30-03-2020 Kyoto vol01 (101)
↑平安時代の貴族の邸宅に見受けられたという<寝殿造>の建物の一部で、鎌倉時代後期のモノであるという。以前に上賀茂神社で見掛けた「立砂」(たてずな)が見受けられるのが面白いと思った…

↓そしてこれが、拝殿の脇から廻り込んで視られる本殿である。
30-03-2020 Kyoto vol01 (98)

↓この本殿は、「年輪年代測定調査」という方法で建物に使用されている木材を調べた結果、「1060年頃の建築」と判定されたのだという。
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↑「現存する最古の神社建築」ということになるのだ!

実は、この宇治上神社に関して、事前には「現存する最古の神社建築」ということを聞き及んでいて、それに興味を覚えて足を運んでみたのだった。

宇治神社とは本当に「直ぐ近く」なのだが、明治時代以前には<宇治離宮明神>または<宇治離宮八幡宮>と呼ばれ、宇治神社と宇治上神社が「一体」だったそうだ。本殿の中央に「正一位離宮太神」という扁額が在るが、それが2つの神社が一体化していた時代の呼称を想起させるモノになっている。明治時代に2つの神社になって、現在に至っているそうだ。

神社の建物は、色々な時代のモノが各々に受け継がれている訳だが、この「現存する最古の神社建築」に関しては「視られて善かった!」と思った。

「1060年頃」ということであれば、かの<平等院>に関して藤原頼通が1052年に宇治の邸宅を寺院化したことが起こりと伝えられているというが、「概ね同時期」ということになる。そんな時代から、古代の皇子や天皇を祀って、その信仰が千年近くに亘って受継がれている証がこの本殿だ…

「神社」というモノは「1060年頃」という次元ではなく、相当に古い時代に起こり、その信仰は永く受継がれている。そういう中で、この宇治上神社の「現存する最古の神社建築」というモノが確かに在って、千年近く在り続けている…千年近くの間に、天災や戦乱、疫病の流行も在ったことであろうが、「それでも受継がれている」ということになる…何か心動かされながら建物を眺めていた…

やや地味かもしれない場所だが、この宇治上神社はなかなかに興味深い場所だ…

宇治神社…(2020.03.30)

「宇治」と言えば<平等院>が圧倒的に有名な場所であるように思う…が、その<平等院>が在る辺りと「川を挟んだ辺り」に古くからの伝統を誇る社が鎮座している。

↓宇治神社である…
30-03-2020 Kyoto vol01 (89)

宇治神社は「宇治の産土神(うぶすながみ)」、「郷土の守り神」というような存在で、応神天皇の皇子であった菟道稚郎子命(うじのわきいらつこのみこと)の神霊を祀っているのだそうだ…

菟道稚郎子命(うじのわきいらつこのみこと)は、父の応神天皇に寵愛されて皇太子に立てられたものの、後の仁徳天皇となる異母兄に皇位を譲るために自殺したという美談で知られているという。

「宇治」という地名は「菟道」に由来という話しが在るそうだ。「菟道」は「うぢ」ということになる。道に迷っていた皇子の前に現れた兎(ウサギ)が、皇子の方を何度も振り返りながら進むべき道を先導したという言い伝えが在るという。それに因み、宇治神社では兎を神様の御使いとしているそうだ。

↓静かな場所だが、「4世紀の出来事」と伝えられる挿話に依拠した、かなり古くからの地元の篤い信仰を伝える、なかなかに雰囲気が好い場所だった…
30-03-2020 Kyoto vol01 (91)

出先で、こういう「好い雰囲気だ…」と記憶に留めたい場所を随意に巡ってみるというようなことが、非常に愉しい。

居室…:京都(2020.03.29)

↓京都の宿の居室である…
29-03-2020 Kyoto (2)
↑「ツインのシングルユース」という形であった…専ら、奥の窓側に据えられたベッドを使用した。在室時は、角の机や椅子の辺りに陣取っていた…

窓からは少し先に在る八坂神社の<西楼門>辺りが一寸視える、祇園に立地する宿だった。こういう場所に滞在してみる機会は、これまでに設けることがなかなか叶わなかった…

ここを起点に、夜明け前から<祇園枝垂桜>を眺めるというようなことや、老舗喫茶店で朝食を愉しんでみようと出掛けるようなことや、祇園白川の<HRC Kyoto>に寄って夕食を摂ることや、その他様々な場所を歩き廻って「自分なりの京都」というモノを思い切り愉しんだように思う。