御酒(うさき)…(2020.06.07)

↓「酒全般を指し示す“一般名詞”」というようにしか思えない<御酒>という銘が刷り込まれたラベル…何か強く主張するモノが感じられる…
07-06-2020 my Sake from Okinawa pref (3)

↓「酒全般を指し示す“一般名詞”」というようにしか思えない<御酒>という銘のラベルは、やや個性的な形のボトルに貼り付けられている。このボトルは、<万国津梁の鐘>(ばんこくしんりょうのかね)と呼ばれる、「海洋国家たる琉球王国の気概」が滲む銘文が刻まれた釣鐘をイメージした形にしたのだということだ…
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“物語”は1935年に遡る…

当時の<東京帝国大学>で麹の研究を手掛けていた皆さんが沖縄県を訪ね、方々の酒造会社に伝えられていた麹を採集し、各々に優れた特徴を有するモノということで研究対象とすることにして、集めた麹を標本として大切に保存していた。東京も第二次大戦の戦禍―激しい空襲…―という中に突入したが、関係者が大切な標本を他県へ持ち出す等して、苦労して保存したという。そういう他方、標本の麹が採集された沖縄県も激しい戦禍により、酒造会社等は大きく損なわれてしまった…

そういう時期から長い年月を経た1998年…<東京帝国大学>の伝統を受継いでいる東京大学で、1935年に当時の研究者達が沖縄県を訪ねて採集した麹の標本が「未だ在る…」と“発見”した。所縁の会社にそれらを分けるようなことを考えたが、標本の麹を採集した酒造会社の多くは、戦禍の中で姿を消してしまっていた…<瑞泉>は、琉球王室の政府による厳しい保護管理の下で泡盛製造に携わっていた職人集団の流れを汲むグループが明治時代に起こした酒造会社の流れを汲んで現在に至っているという老舗である。1998年に発見された、戦前の麹を受取って酒造りをしてみようと決め、挑戦を始めた…

<瑞泉>の職人達…色々と試行錯誤を繰り返し、1935年頃から密かに伝えられた麹を使って、醪を造って醸造し、1999年6月に無事に新たに蒸留した泡盛を完成させた。1999年頃、未だ存命だった、戦前の泡盛を嗜んだことも在る高齢になっていた<瑞泉>の元役員が出来上がった酒を試飲し、「或いは記憶の中の酒よりも佳いかもしれない」とし、敢えて銘を冠するのでもなく、古くから泡盛そのものを指し示す呼称である<御酒>(うさき)という銘を冠するということにしたのだそうだ…

↓そういう「重い物語」を負った酒であるが…休日の日中にゆったりと頂いてみた…
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口にしてみると、酷く「軽やかな味わい」という感だった。米と麹で造った醪を蒸留する泡盛という酒の“原点”を想起させる感の一杯…「一杯」に留まらず、ドンドンとタンブラーに注いでしまいたくなる感だ…

「酒」は「モノそのものの味」を愉しむという代物であるが、同時に「込められた物語」を感じて愉しむモノでもあると思う。この<御酒>(うさき)には色々なモノが込められている。それも合わせて、ストレートでグッと頂くのがなかなかに好い感じだ…

↓<瑞泉>による<御酒>を紹介するコンテンツは下記…
>>琉球泡盛 瑞泉酒造 御酒~甦る泡盛の源流~

泡盛 御酒(うさき) 30度 720ml [瑞泉酒造 ずいせん / 4合瓶 四合瓶]


旭川駅のホームにて…(2020.06.01)

何となく「夜の特急」と呼んでいるが…日付が変わる少し前に稚内駅に着く列車は旭川駅を午後8時6分に発車する。その時刻の20分程前ともなると、列車はホームで待機し、早々と乗客を迎えている…

↓キハ261系ディーゼルカー…稚内への259㎞の道程を駆けようと待機中である<サロベツ>だ…
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↑こちらは列車の後尾になる4号車の側だ…

↓後方から、3号車の指定席を目指した…
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↓少し前方の席に陣取ることになっていたので、前方へ進み、車内を一寸眺めた…
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↑未だ他の乗客は現れていない…

嵩張るモノを車内に置いて、ホームで過ごすというのが意外に好きだ…

↓画の中央辺り、5番ホームに<サロベツ>が停車中だ。右の4番ホームにキハ40の普通列車が入った。その向こうの3番ホームには札幌へ向かう<カムイ>が待機中だ。眼を反対側に転じると、7番ホームには721系電車による列車が着いたところであるようだ…
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↓画の左側、6番ホームに789系電車の<ライラック>が着いた…
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↑「札幌から稚内方面へ向かう」という場合、この<ライラック>で旭川に着き、11分間の乗換時間で<サロベツ>に乗り継ぐというように設定されている。個人的には…そういうのを度外視して、過ぎる程にゆとりを持って旭川に入り、駅でゆっくりと稚内への出発を待つというようなことを好むが…

↓各ホームが列車で埋まっている感じ…美しい!
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↓こんな様子を眺めて愉しみ、悠然と席を取った車輌に乗り込んで列車が出発するのを待つ…「好きな時間」である…
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しかし少々気に懸るのは…最近の“事情”による利用客減少を受けた「減便措置」とやらで、6月14日から夜の<サロベツ>が“運休”となってしまう…先々、どういう具合になるであろう?