極々近所に在る「拙宅の食糧庫」と戯れに呼びたい感の店で、過日思い付いてウィスキーを求めてみたという経過が在った。「時には…」と思い付いて、頂いてみたモノが思った以上に好かった…
↓そういうことが在ったので、また極々近所の店でウィスキーを求めてしまった…
↓過日の“アイリッシュ”に対し、これは“スコッチ”だ。
<ティーチャーズ>(TEACHER'S)はウィリアム・ティーチャーという人物が起こした会社だ。姓のティーチャー(TEACHER)に「'S」で所有を示すという、英語の店や会社等の名前によく在る型だ。<ティーチャーズ>というのは「ティーチャーさんの店」という程の意味だ…
「ティーチャーさんの店」と敢えて訳出したが、1823年に起こした会社の下で1830年代に入ってウィリアム・ティーチャーがグラスゴーで始めた商いは、現在で言うとバーのような店だったという。ウィスキーをブレンドし、それを店で愉しく呑んで頂くということだった。正しく「ティーチャーさんの店」という感じだったのだと想像する…そしてそのウィスキーをボトルに入れて「お持ち帰り」という営業も行っていたのだという。
その「ティーチャーさんの店」はグラスゴーで何店舗も出店し、「お持ち帰り」のボトルの売り上げも好調だった。そして1860年に至り、遂に酒造の免許を取得して自分達でのウィスキー造りに着手した。そして現在にも受け継がれる<ハイランドクリーム>という銘のブレンドウィスキーが登場した訳だ…
1860年?日本史で言えば「幕末の激動期」ということになるだろう。1860年は<咸臨丸>が太平洋を渡ってサンフランシスコに辿り着いた年で、幕府の大老が暗殺されるという<桜田門外の変>も発生している。序でながら…ロシアの歴史では、極東のウラジオストクの港と街が開かれたのが1860年とされている…
↓永い伝統を受け継ぐグラスゴーで愛されたウィスキーということだが…実に「ウィスキーらしい」というような感の芳香に魅せられる。そして最初に口にした時の当たりの好さを経て、スモーキーな味わいが奥の方に拡がってくるような按配…「美味い!」と思った。
↓このラベル…記憶に留めたい…「美味い!」と思ったのだが、極々近所の店に並んでいた各種ウィスキーの中では「然程高価ではない…」という感だったのだ…
↓相対的に高価でもない他方で「美味い!」という、永い伝統を誇るスコッチのブレンドウィスキー…好いモノと出会った…
好いモノと出会うことは歓迎すべきなのだが…直ぐにボトルが空いてしまうのは少々困るかもしれない…