【連載】現今事情―サハリン (3)

夕方から夜の中途半端な時間帯に、「何時でも御休み頂いて結構です…」という状態で寛ぎたい他方、「何か適当に美味い夕食を軽く…」(場合によってはひどい空腹で、確りと頂きたいかもしれないが…)という程度に思う場面は存外に多いような気がする。

こういう状態が“出先”で発生すると如何するか?“出先”となれば「土地の美味いモノを適当な場所で…」ということにもなろうが、それでも「何やら動き回って草臥れたので、とりあえず寛ぎたいのだが、他方で一寸食べたい…」という“我儘”は生じる。或いはその種の、または少し意味合いが異なる場合も在りうる“我儘”を満たしてくれるのが「各種のサービス」というモノだ。

実は過日、“出先”の旭川でこの種の“我儘”が生じた。所用を足して安堵し、稚内へ引揚げる途次に立ち寄り「翌早朝から“続き”の移動…」ということにした。サウナをも設えた大浴場を擁している気に入った宿の部屋を求めて寛ぐことにした。宿へ入るまでの時間、少し街を歩き廻ってもみていて、何か酷く「何時でも御休み頂いて結構という状態で…」という渇望が在ったと同時に、「一寸食べたい…」という“我儘”が生じた訳だ。

そうした中、何れにしても「宿の室内で飲むモノ」を求めたかったので、旭川の駅辺りに在る商業施設に入っているスーパーに向かった。そこで飲物の他、<総菜コーナー>で「一寸摘むモノ」も求めたのだった。

日本国内の方々で似たようなことをやっている。時には…<総菜コーナー>を設けているようなスーパーの営業時間帯と自身の行動とが噛合わずにこの種の真似がやり悪い、または出来ない場合も在る。

サハリン?ユジノサハリンスク辺りは如何か?

↓確り出来る!
19-12-2018 (5)

夕刻に一寸出掛けて、やや遅い時間に滞在先へ引揚げた。完全に引揚げてしまう前、道すがらの早朝から深夜まで営業のスーパーに立ち寄り、<総菜コーナー>を覗いて「これ?好いかな?」と求めてみた訳だ。

この時は何となく寿司にした。結局、日本起源の料理ではあるが、地元で製造可能なように、味の好みに合うように、適正と思われる価格で販売可能なようにと、内容がアレンジされて定着し、こうして<総菜コーナー>に寿司が並んでいるのである。

↓夜になると、残った総菜類を売り切ってしまおうということで「割引」のシールを貼り付けるというのも在るのだ。(序でながら「本日中に御召上がりを!」とも在るが…)ユジノサハリンスクに滞在し、空腹な状態で「やや遅め…」になると、敢えてこの“シール”を狙ってスーパーに寄ってみるようにしたことも在った。
19-12-2018 (4)

立寄ったスーパーは早朝から深夜まで営業だ。この種の総菜類を利用しようということならとにかく便利だった。日本国内では?コンビニでこういう真似が出来るであろう。が、日本国内のコンビニの多くでは「割引」のシールを貼り付けという例は聞かない。

ユジノサハリンスクのスーパーでは、夜に訪れると総菜類の「割引」のシールを貼り付けというのまで見受けられ、日本国内で何となく立寄るスーパーと然程の差は無いと思う。当然ながら、日本国内とは異なる商品が出回っていて、消費者の嗜好も異なるので「何やら見慣れないモノが色々と…」という程度には思う。が、果物や野菜、魚や肉、各種加工食品や調味料、各種飲料、菓子類、惣菜、住宅内での一寸した消耗品というような、「日本国内のスーパーで見掛ける商品の各領域」というようなモノは揃っている。

↓こういうモノもユジノサハリンスクのスーパーで求めてみたことが在った。
26DEC2018 (29)

網状になった袋にミカンが入ったモノが売られていた。ユジノサハリンスクで、或いはサハリンやロシア全般での傾向かもしれないが、年末年始を挟むような時季、何やらミカンの人気が高まっているように見受けられた。これは日本国内と似たような傾向かもしれない。

そういうように思うのだが、このユジノサハリンスクで求めたミカンの、袋の結び目に貼り付いたラベルをよく見ると「ミカン(日本国)」と書かれて、正しい手続きで輸入されていると謳われているようだった。何処の県のミカンなのかまでは不詳だった。が、ユジノサハリンスクでも日本国内で出回っているモノと同様のモノが普通に売られているのである。

↓本当に、日本国内でミカンを求めて頂く場合と何ら変わりは無い…
26DEC2018 (32)

輸出入には、商品量の多い少ないと無関係に諸経費が生じるので、そうした諸経費を販売価格で吸収可能な状況か否かの判断が少々難しい場合も在るであろう。日本国内の側で、「新たな販路…」と思い立つのは結構だが、「諸経費を販売価格で吸収可能な状況」にするには「相当量を供給」という必要も在って、例示したミカンのような商品が売られるようになるまでには意外に手が掛かっている。

例えば、日本国内からサハリンへミカンを輸出しようとして、諸経費が10万円程度発生したとする。ミカンが1箱3千円とすれば、その1箱をサハリンに送り込んだ時点で「1箱10万3千円」だ。箱の中のミカンを幾らで販売するのか?売る術が無いような異常な価格にしかならない。が100箱も輸出するなら、1箱3千円なら30万円で、諸経費を合わせると40万円になる。であれば「日本国内で1箱3千円、サハリンでは1箱4千円」ということになる。サハリンでこの4千円が「妥当…」とされて販売が伸ばせるのであれば、輸出入の商談は成立で、取引も或る程度続けることが出来るということになる。

極々大雑把に考えてみたが、こういうようなロシアと諸外国との輸出入を介して流通しているモノ、そしてロシア国内で製造されて流通しているモノがサハリンのスーパーにも入り込んでいるのだ。

日本国内で何となく立寄るスーパーと然程の差は無いような店がサハリンで拡がり始めたのは、多分2000年代以降位だ。そういう時代に起こっているということは?そもそもの最初から、在庫、売上の管理、加えて「売れ筋を狙って仕入れ」というように出来る「商品のバーコードを読み込んで精算」という仕組みで販売が展開されているということになる。

ここで、スーパーで見掛けて求めた総菜とミカンとを取上げた。何れのモノも、カゴに入れてレジへ持って行き、レジでは店員さんがバーコードを読む作業をする。「割引」の惣菜は、店員さんが何やら操作をすると値引きされる。そしてレジで精算を行う訳だ。

カフェが「エスプレッソマシンを使って淹れた珈琲を供する」にいきなりなっているのと同様、「以前の時代の…」という方式を飛ばして「最近主流の管理方式」でスーパーは営まれている訳だ。そして、日本国内の対面販売に近いような方式の店も在る他方、スーパーはチェーン店化さえしていて、ユジノサハリンスク市内や、最近では周辺の他地区でも見受けられるようになった。

果物や野菜、魚や肉、各種加工食品や調味料、各種飲料、菓子類、惣菜、住宅内での一寸した消耗品と言った「スーパーで見掛ける商品の各領域」というようなモノは、日本国内でもサハリンでも、とりあえずスーパーを覗けば揃っている。それでも尚、「サハリンってモノが在るの?」と問われ続けなければならないのだろうか?

塩ラーメン+チャーシュー=<塩チャーシュー>…(2021.05.22)

メニューには「塩ラーメン」と在るが、「塩チャーシュー」と申し出ると、50円増しでチャーシューが多めに乗る…

↓こういう具合に…
22-05-2021 lunch (2)

「ラーメンの店」に入り、何となく「味噌、醤油、塩」と各種在るという感じ。或いは「北海道の流儀?」というような気もする…

↓極々近所の時々寄る店での、土曜日のランチだった…
22-05-2021 lunch (1)