宿坊の居室…:高野山 金剛三昧院(2021.11.21)

初めて訪ねた折りに「何となく駆け抜けてしまった…」というように思うようになり、「ゆっくりと高野山を再訪」と思うに至ったのだが、そういう中で「宿坊に停めて頂くようにしてゆっくりしよう」と考えた。

「宿坊に泊まる」と言って、自身としては別段に特別なことも無い。知らない土地で宿を求めて予約するのと同じ要領で、宿泊予約の出来るウェブサイトを利用するというだけのことだ。

金剛三昧院に泊めて頂くことになった。金剛三昧院は「世界遺産」というモノの構成要素にも加えられている、多くの文化財を有する寺であるが、そういう文化財の間近に寝泊まりさせて頂くというのも一興だ。

↓「頼もう!!」という具合に金剛三昧院を訪ね、通された部屋がここである…
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↑極々普通な和室で、何ら特別なことも無い。何か「寺の離れの一室に居候させて頂く」という雰囲気で、自身の感覚では「なかなかに好い居心地」という感だった。

多くの文化財を有する寺の「離れ…」というような場所だが、持っていたノートパソコンの電源を入れてみれば通信速度も遅くないWi-Fiが自由に使える感じで、大きな街の宿と何らの変わりも無い感だった。

↓そう思ってキョロキョロとしていれば、こんなモノが眼に留まった…そして些かの笑いも込み上げた。「未だ…普通に使っている?この種の電話機を…」と驚いた。
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↑内線電話?外線通話も可能なのか?酷く古めかしい電話機が据えられていた…こういうようなモノ?余り使わなくなって久しいのではないだろうか?この種の電話機を一般家庭で使うとすれば、敢えて「アナログ接続」という具合にNTTに申出て、何やらの切替を有料で御願いしなければ通話出来ない筈だ…

こういうダイヤル式の電話機?一定の年代以下の方は「如何やって使う!?!?」ということになるように思う…

電話機は一寸笑ったが、それはそれである。「寺の離れの一室に居候させて頂く」という雰囲気は、何となく心地好い感じだった。引揚げて然程の時日も経たない中ながら、早くも「懐かしい…」という気分になっている。

早朝…:高野山 金剛三昧院(2021.11.21)

高野山を訪ねて宿坊に一泊…そんなことを思った。と言っても、特殊という程のことでもない。宿泊予約が出来るウェブサイトで見付けることが叶うのだ…

そんな訳でその宿坊の一つに御世話になることにした。<金剛三昧院>という場所だ。

宿坊というモノには色々と仕来りも在るのかもしれないが、金剛三昧院には「素泊まり」というプランが在って、何か「寺の離れに居候させて頂く」という感覚で滞在出来た。個人的には酷く好みに合った。そして朝6時半からの勤行に参加出来る。これはなかなかに興味深い経験で、一頻りの勤行を終えた後の講話も興味深いものだった。

↓その朝の勤行の少し前だった。泊まるようになっている場所の前から門を望んだ…
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↑この時季、「6時半」の少し前という時間帯は「微妙な明るさ」という具合で、何か独特な趣が在ると思う。

「1200年もの歴史を誇る高野山では相対的に新しい」とは、朝の勤行の後に講話ということで御話し頂いた名誉住職の言だが、“新しい”と言っても「八百数十年」の歴史を有するのが金剛三昧院である…

鎌倉時代の初め、夫である源頼朝や息子である源実朝を喪った北条政子が、その菩提を弔うべく開いた寺が金剛三昧院の起こりであるのだという。13世紀冒頭の出来事になる訳だ。

↓門を潜って直ぐの辺りだ。少し特徴的な塔が在る。
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↓優美な多宝塔である…
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↑これが源頼朝と源実朝の菩提を弔おうと北条政子が施主になって建立させたとされる建物で、現存するこの種の多宝塔としては、大津の石山寺に在るという多宝塔に次いで古い、「日本で二番目に古い」と謂われるモノであるそうだ。

金剛三昧院は、「表通」という感じの場所から少しだけ奥まった感じの場所に在る。それは「相対的に新しい」と言うべき事情で、奥側の空いている場所を利用したという起りの頃の事情がが在ったのかもしれない。が、「少し奥」であるが故に「火災のような事件に際しては「巻き込まれ悪かった」(火災による類焼が無かった)という面も在る。それ故に、現在では貴重であるこの多宝塔のようなモノが受継がれることとなった訳だ…

実際的には「少し奥」と言っても、「表通」的な感じの場所から歩いて5分か、それに満たない程度に脇の小路を進むというだけのことで、全然不便ではない。

↓そしてこれが庫裡である。寺の様々な活動に使われている建物で、夕刻から早朝は、人が近付くと感知して灯りが点く装置が据えられているようだった。装置は、泊まる場所の出入口にも在ったが…
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↓大木に注連縄を掛けて大切にしているという例が各地で見受けられるが、この金剛三昧院の境内にもその種の大きな杉が見受けられた…個人的にはこういうような巨木を眺めるのが凄く好きだ…
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↑「高野杉」と謂うようだが、高野山は古くからの杉木立が多く伝えられている地域でもある…

↓朝の勤行に際しては、こういう“護摩”に願いと氏名を書いて祈願料を添えて提出する…
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↓そうすると“御守”が授与される…
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「文化財」という建物、それも「世界遺産」というようなことになっているモノまで含む建物等を擁するという場所で「寺として」の「普通」な活動を継続するということには、一般の人が一寸想像し悪いような苦労も在るようだ。そして「豊かな山林の一隅」という立地であるが故に、鹿やムササビというような野生動物が「思いも掛けない被害…」のタネになってしまうような場合も在るという。そういう中でも、数百年に及ぶ法灯を受継ごうと関係者の努力が続いているのだ。

こういう場所で漠然と過ごす時間…何か凄く好い感じだ!!ここを離れて、地元へ引揚げて然程の時間は経たないのだが、早くも「また何時か御邪魔するのも好いかもしれない…」と懐かしくなっている…

<南無大師遍照金剛>…(2021.11.19)

「長袖Tシャツの上に長袖シャツ」というので按配が好かった中から、「半袖Tシャツの上に長袖シャツ」が程好いと思えるような場所に移動した。多少汗ばんだ。

↓替えとして持参のTシャツを引っ張り出した…
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「お遍路」関係のモノを扱っている通販で見掛けて「好い!」と思って入手して在ったのだ。

諡号1100年記念Tシャツ 光明真言 背文字入り お遍路Tシャツ 黒 南無大師遍照金剛 梵字 クイックドライ お遍路用品 お遍路グッズ




<南無大師遍照金剛>を背負うTシャツ…個人的に好む黒地のモノである…

↓正面はこういう具合だ…
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↑胸の梵字は弘法大師、弥勒菩薩を示す「ユ」であるようだ…

大阪の宿でこれを引っ張り出し、これを着て高野山を訪ねたのだった…

<火の帆>(HONOHO)…(2021.11.19)

↓こんなモノを求めてみた…
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関西空港へ出発しようと、新千歳空港で保安検査まで終えて、搭乗案内を待っている時だった。「何か飲物でも求めて“気に入っている場所”に入ってゆったりと…」と思い立った。売店を覗いて、これに眼を留めた…

↓北海道内で製造されているクラフトジンだ。
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比較的最近の登場らしい。後日に札幌駅構内の店で同じモノを見掛けたが、御店の方と言葉を交わしたところ「大変な人気商品!入れば直ぐに売切れて、再入荷に時間を要する…」という情況であるそうだ。

↓試飲してみた…
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↑何か…何処かの街のバーに据えられているカウンターのようにも視える画だが…新千歳空港の搭乗待合室の一隅である…

ジンは独特な香りが着いたスピリッツだ。その香りの刺激で好みが分かれるような感も在る。自身はジンも嫌いではない。

この<火の帆>(HONOHO)は、香りの刺激が穏やかであるように思った。美味い!ストレートで、或いはロックで呑んで愉しい感じかもしれない。

思わず試飲したが…そのまま中途半端になった瓶を持ち歩くのも鬱陶しい。100ml…空路の安全を期して、一気に干してしまった…

方々で、こういうような新しい酒が登場する。そういうモノに出会うのも愉しい。