モーニングセット:たまごサンドウィッチ…(2021.11.22)

小雨交じりな中、小雨を物ともせずに歩き廻っていた。

2時間半近くも動き回った頃に「電池切れ…」と戯れに言う情況、「少し座って、飲物でも頂きながら一息…」ということをしたくなった…

六波羅蜜寺から六道珍皇寺に立寄り、六波羅蜜寺を目指した時に目印にした、京阪の清水五条駅へ向かおうとした。

↓途中で喫茶店に立寄った…
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宿を出る前に朝食の提供は受けたが「食べ過ぎないように…」と軽めに済ませていたので、<たまごサンドウィッチ>のモーニングセットを御願いした。

御近所の常連が色々と出入りして寛いでいるというような、何か「かなり古くから営業していそうな店」だった。そういう雰囲気!嫌いじゃない。寧ろ好きだ!何か、訪ねた街の一隅に紛れ込ませて頂いているような不思議な気分になるのが面白い。

↓「たまごサンドウィッチ」とでも聞くと想い起すような、ゆで卵をマヨネーズで和えたモノを柔らかいパンに挟んだモノ、少し「懐かしい…」という味だった。
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サンドウィッチを美味しく頂き、好い意味で「中庸」という感じの味わいだった珈琲をゆったりと頂いた。多分?古くから使っているブレンドなのだと想像した…

↓眼前にふと現れる“喫茶”という看板…京都の街中では意外に見掛ける。この種の場所は、本当に「地元の人達の集まる店」という風情の場所が多いと思う。
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ここで一息入れた後、更に動き回った…

六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)…(2021.11.22)

「六道の辻」という場所が在る。訪ねてみた六波羅蜜寺から然程遠くもない辺りである。

「六道」(ろくどう)?これは仏教の教義で謂う地獄道(じごく)・餓鬼道(がき)・畜生道(ちくしょう)・修羅(阿修羅)道(しゅら)・人道(人間)・天道の六種の冥界のことである。

人は因果応報(いんがおうほう)により、死後はこの六道を輪廻転生(りんねてんせい)する(生死を繰返しながら流転する)とされている。

この六道の分岐点で、いわゆるこの世とあの世の境界となる「辻」、「冥界への入口」が「六道珍皇寺の境内の辺り」とされて来た。

そこで「六道の辻」という場所が在るのだ。

↓六道珍皇寺の門前に、「六道の辻」と刻まれた石柱が確りと据えられていた…
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↓上述の「六道の辻」の手前にもう一つ石柱が据えられている。「小野篁卿舊跡」と在る。「舊」は「旧」のことだ。
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↑ここは小野篁(おののたかむら)という人物に所縁の旧跡であるということである。

小野篁(802-852)は嵯峨天皇の時代の官吏で、参議にまで上っている。故に指名に「卿」という文字が添えられている。傑出した人物であったというが、昼は朝廷に出仕し、夜は閻魔庁につとめていたという奇怪な伝説が在る。篁が冥土へ通うのに使ったという井戸が伝えられているのだそうだ。

↓不思議な言い伝えに彩られた、静かな寺を訪ねてみた。
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↓冥界とこの世とが交わる辻…何か不思議な空気感が漂う…
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この日は<寺宝展>と称し、薬師如来像、閻魔大王像、小野篁像が観易い状態で公開されていた。それを観ることが叶ったのは好かった。

↓庭をゆっくりと拝観した…「撮影は御遠慮を…」と規制が在るが、小野篁の伝説の井戸は極一部が覗いている…
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↓しっとりと湿った感じ…こういうのも悪くはない…
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「六道の辻」ということに関して、平安京の東に在ったという鳥辺野の墓所に近く、葬送の道筋なので「野辺の送り」が催されていて、辺りが「人の世の無常とはかなさを感じる場所」であったことや、小野篁の言い伝えが相俟って謂われるようになったものなのであろう…

何か「命」というようなことに関して、漫然と想うような場面が如何したものか増えているような気がしないでもない昨今、「冥界」に関する言い伝えに彩られた寺に立寄ってみたのは少し興味深かった。

六波羅蜜寺…(2021.11.22)

五条大宮の宿に在った早朝、「五条通に出て、東へ進んで鴨川を渡り、京阪の清水五条駅の先を目指すような…」という「概ね30分歩く」というようなことを何となく想い描いた。

余り早くに出発しても「コンビニで珈琲でも求めることは可能であろうが…他に何が出来るのでもなく…加えて未だ暗い時季だ…」と宿の居室で少々寛ぎ、「さて出よう…」とチェックアウトを済ませて戸外に出てみれば雨が交っていた。と言って雨が強いのでもない。「しとしと…」という程度だった。

↓小雨を気にせず、特段に傘を使うのでもなく、想い描いたように街を歩けば、少し入組んだような辺りでこんな看板に出くわす…
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↑興味は在ったが、これまでに寄ってみる機会も無かった六波羅蜜寺である。

「六波羅」と言えば、『平家物語』の平家が都での本拠地のようにしていた地区だ。鎌倉時代には幕府が「六波羅探題」という機関を設置していた筈だ。軍事的脅威に備える“司令本部”であり、治安維持的な役目を担う“憲兵”とか“警察”の本部で、都での様々な役目を果たすための幕府の“代表部”というような場所であった筈だ。そういうことを踏まえて「源平両氏の中心史跡」というように、六波羅蜜寺の看板には在る。

↓小雨の中、境内に入ってみれば少し大きな十一面観音が迎えてくれる…
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↓写真をクリックして、ウェブギャラリーのページを開き、更に写真をクリックすると大きく表示される。それを視ると、この時は小雨で十一面観音が濡れている様子が判り易い。
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↑濡れた境内に濡れた状態で佇み、小雨に濡れたままに訪ねた自身を迎えて頂いたということになる。感謝!

↓本堂、加えて弁財天に御参りをした…
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↓記念にポストカードを求めてしまったが、六波羅蜜寺では<宝物殿>は拝観する価値が在ると思う。
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↑「念仏を唱えると、唱えた一字一字が阿弥陀如来の姿になった」という、空也上人の伝承を彫刻にした像、歴史の教科書にも出ている平清盛の像、その他主に鎌倉時代の優れた彫像作品が多く展示されている。

この六波羅蜜寺の<宝物館>で視たような、永く受継がれた素晴らしいモノを間近に眺められたという経験…今般はここの他に高野山の<霊宝館>や、同じ京都の三十三間堂でもそんなことが在ったのだが、本当に好かった!

↓雨がなかなか止まない中での訪問だったが、その雨の風情と共に、六波羅蜜寺は強く記憶に残る感だ…
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※ ポストカードの画は後から札幌の宿で撮っている。が、記事は京都での想い出なので「京都府」のカテゴリに分類する。