橿原神宮前→京都…:近鉄特急(2021.12.18)

宿の辺りから天王寺へ出て、天野山金剛寺當麻寺を訪ねた。

「好い意味での“誤算”」が重なった感だった。些かマイナーな感も否定し悪い街で、ドタバタとバスの待ち時間が変に長くなるようなことが在ったが、それでも「価値は高い!」と思った。そして「驚き呆れるばかりに見所が満載で、現地では事前に何となく思った時間の何倍かを過ごしたという」ようなことは気儘に勝手に動き回る場合の醍醐味のような感さえ在る。

そういう時間を過ごした後…

↓近鉄の列車で橿原神宮前駅に至った…
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↑乗って着いた車輛は、直ぐに大阪阿部野橋駅へ向けて折り返し運転になるようだった。

漫然とこの日の宿を求めようとした際、近鉄沿線で相対的に空室が多めで安価なように視えたのが京都だった。そういうことで京都に1泊すべく移動を試みた。當麻寺を訪ねた後であれば、当麻寺駅から橿原神宮前駅へ進み、そこから京都へ北上するというのが好さそうだ。

↓到着した橿原神宮前駅で待機中であったのはこういう列車…京都行の特急列車だ。
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近鉄で「特急」と言えば「全席指定で料金券と指定席券を予め購入」が原則となる列車だ。(ポピュラーな然程の距離でもない区間で、乗り込んでしまってから車掌さんに料金を支払うという具合に利用している方達も見受けられたが…)<近鉄電車各駅 3日間全線フリー>という乗車券を手にしている場合、その「料金券と指定席券」を求めて乗車することも可能だ。そのやり方で新しい車輛による大阪・名古屋間の特急列車である<ひのとり>に乗車という想い出も在る。

橿原神宮前・京都間の沿線には「道草すると面白い場所」は多々在る。が…「この区間の特急列車に乗ってみるのも一興…」と、眼前の車輛を視て気持ちが動いたのだ。「何処か…駅の窓口で料金券を?」と思えば、車輛が待機している眼の前に券売機が在って、指定席の指定も出来て料金券が求められるようになっている。早速に入手した。

↓そして乗車…所謂「特急列車用車輛」というモノの標準的な感じの、座り心地の好いクロスシートである。
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↓嵩張るモノ―と言って「日常の中で街を動き回っている人達」が持っているような感じのリュックサックと、冬なので上着ということ、序に<大阪近鉄バファローズ>のマークが入ったキャップも在ったが…―は荷物棚へ…
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↑今般は「6A」の席だった。個人的に“6”は「誕生日に因む」というようなことで「好きな数字」でもある。そんな些細なことで機嫌を好くしていた…

↓近鉄特急には「こういう場所…」も設けられている。個人的には「大変に結構!」と思う…
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列車は橿原神宮前を発つと、大和八木、西ノ京、大和西大寺、丹波橋の各駅に停車で京都に到る。1時間弱の運行時間だ。

大和八木や大和西大寺は近鉄の他路線への乗換駅で、丹波橋は京阪への乗換駅だ。西ノ京は薬師寺や唐招提寺に近い、旅行客の需要が高いと見受けられる駅だ。そんなことも思いながら、流れる車窓を「他の列車で視た時とは見え方が些か違う?」とも思いながら眺め、本当に呆気ない程に速く京都に着いた。

↓京都駅に着いた列車だ…
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↑直ぐに橿原神宮前へ折り返し運転となるらしい。

↓近鉄の京都駅は、頭端式の軌道が何本も並ぶような具合になっている。
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↓近鉄の京都駅は、「あの京都駅」の巨大な施設の一隅を占めている…
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こういう「列車の旅」というようなことをするのは愉しい!

※京都駅の件も在るが、橿原神宮前駅が発駅という話題なので、記事は「奈良県」のカテゴリに分類する。県境を越えて京都府に何時の間にか入るのだが、それを暫く殆ど意識せずに居た…
posted by Charlie at 12:06Comment(0)奈良県

天野山金剛寺:河内長野(2021.12.18)

河内長野は、大阪府の南東側に在って、少し先は和歌山県との境界のような場所だ。「河内の山中」というようなイメージの場所かもしれない。

この河内長野を訪ねるとすれば、近鉄の大阪阿部野橋駅から古市駅へ出て、そこから延びる線が行き着く先で、大阪阿部野橋駅との間を真直ぐ往来する列車も利用出来る。他、南海なんば駅を発着する高野線の列車が行き交っている駅の在る。近鉄の駅と南海の駅は隣接で、半ば同じ建物で結ばれているような様子であった。列車が発着する軌道も並んでいて、南海の列車で通り過ぎた際「向こうに近鉄の車輛が停車…」という様子を視ていた。

と、河内長野駅の話題から始めたが、率直に申し上げて「敢えて訪ねる」という意図が無ければ、大阪に縁薄い他地域の者が河内長野に立寄るという機会は少ないような気がする。実は南海の列車で高野山を訪ねた経過の中、「沿線の興味深そうな場所?」と河内長野に眼を向けてみた経過が在った。そして実際に立寄ってみようかという段になり、南海の列車ではなく、近鉄の列車を利用した。そして河内長野では南海バスを利用したのだが。

河内長野には、多少手間を掛けてでも立寄る値が在ると思われる名刹が在る。天野山金剛寺だ。

大阪の街中から河内長野駅へ至るのは容易い。列車の運行頻度も酷く少ない訳ではない。普通に何も考えずに駅に足を運んで、何となく乗車可能な程度である。が、河内長野駅前からのバスは運行頻度が低い。1時間に1本か、それより少ない場合も在る。金剛寺の傍の<天野山>という停留所を通る路線の運行は、土曜日や休日の方が、少し頻度が高いかもしれない。

↓河内長野駅前でやや長めにバスを待って、辿り着いた天野山金剛寺の門だ…一寸見入ってしまう見事なモノだった。
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↓寺号が額に記されている…
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天平年間(729年―749年)に聖武天皇の勅願で行基が開いた寺で、空海が修行した経過も在ると伝えられる。とにかく古い古い経過を有する寺である。平安時代の末期には高野山の高僧であった阿観(あかん)が住んで、後白河上皇や八条院というような有力者の帰依も受けるようになったという。

そして数多の塔頭を擁する寺として鎌倉時代にも栄え、鎌倉時代末期に至ると、河内国の真言宗系寺院と親しくしていたという後醍醐天皇とも関係が深くなっていて、南北朝時代には河内国で活動した南朝陣営の拠点のようにもなったようだ。そして南北朝の争いの渦中には入ったものの、室町時代にも寺は栄えた。江戸時代にも大名の支援を受けた伽藍の整備等は見受けられた。

明治時代に廃仏毀釈の故も在って退潮はしたが、戦禍に遭うようなことが少なく、貴重な文化財が多く伝えられている場所として「知る人ぞ知る」という存在であるそうだ。

↓本尊の金剛界大日如来坐像が祀られる金堂だ。
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↑大日如来の脇には不動明王と降三世明王(ごうざんぜみょうおう)が据えられている。これが「大迫力!」で見入ってしまう。この3体が並んで鎮座するというのは類例が無いものでもあるらしい。

↓かの豊臣秀頼が大修理をしたという金堂が現在に伝わっているようだが、その金堂から辺りを視るという感じも素敵だと思った。
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↑多宝塔が視えている感じが気に入った。

↓現存する多宝塔としては「最も古い?」とも見受けられるらしい。平安時代末期のモノということだが、金堂と併せて豊臣秀頼の修理の手が入っているという。
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↓最近、この多宝塔と呼ばれる形式の塔が好いと思うようになった…
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こうしたモノの他、織田信長、羽柴秀吉、徳川家康というような「教科書に在った昔の人の名前」として誰でも知っていそうな人物の署名や押印が施された書状というような貴重なモノの展示も在る。この寺は、有力者の帰依も受けて栄え、女性の参拝を拒んだ高野山金剛峰寺に対して、女性も迎えたことから「女人高野」と呼ばれた幾つかの寺にこの天野山金剛寺も数えられている。そういう経過に加え、「僧房酒」と呼ばれるが、寺で酒造を行って販売して活動を継続する糧としていた経過が在るのだが、この寺で醸していたという<天野酒>はなかなかに知られて好評を博していたらしい。そういう事業で用いたらしい大きな甕等も展示されていた。

↓貴重な展示が視られる場所の辺りにこういうモノも在って頬が緩んだ…
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或る程度限られた時間を食み出すかもしれない程度に見所が満載な場所だった。過ぎる程に静かな冬の好天な日に、ゆったりとここを訪ねられたのは善かった…
posted by Charlie at 10:38Comment(0)大阪府

<八坂の塔>が在る光景…:早朝(2021.12.27)

「京都から関西空港へ」という予定であった日の早朝、フライトが夕刻であるということも在って、「フライト前の道草」というようなこととは別に、朝の時間帯に散策でもしようかと思い付いた。

宿から辺りへ出て、少し動き回った。0℃を挟むような気温帯で、「湿った箇所が凍る…」というようになっている例も見受けられ、歩行には「些か注意…」という感ではあった。しかし、それはそれとして「殊更に静かな様子」という中で京都の街を歩き廻るのは悪くないと思った。

↓<八坂の塔>を望むような辺りに差し掛かった…
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↓或いは「京都…」とでも聞けば思い浮かべるのが、この画のような様子なのかもしれない…
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↓坂を少し上がってみた。建物の屋根等に少し雪が残っているのが判った…
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↓何か好い空気感だ…
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「定番の景色」であって、眺めに出ている人や、撮影機材を手にしている写真愛好家は散見したが、それが多いとも言い悪い感じだった。そういう状況も好かった…

紅葉や各種催事で何か賑わう時季と年始時季との隙間、「冬が本格化しようかというような頃の静かな時季」というモノが、何やら酷く好い…
posted by Charlie at 01:00Comment(0)京都府