↑作品を知った時「とりあえず見たい!!」と強く思った。そして、頼めば簡単に入手可能であると知って頼んだ。本を読んで善かったと強く思っている。
↓とある平和な街が舞台ということになるファンタジーだ。
本作の3体の主要キャラクターは、或いは「普通の人々が普通に暮らす平穏な街」を象徴するような造形だと思う。或いは「平穏な地域を愛する人々の心」を象徴するような造形かもしれない。
人々の生命の輝きと共に在って、街を彩る花の世話をして歌を愛する“ダーンカ”。人知れず伝わる、または大切に伝えられる街の文化遺産や魅力を見出すことを愛する“ファビアン”。周辺地域や遠い地域とを自由に行き交い、素晴らしい景観を愛する“ジールカ”。そんなキャラクターが居るとされている。
↓とある平和な街に、何もかもを闇で覆う、心も心臓も無い“戦争”がやって来る。そして如何なって行くという物語な訳だ。
「止めて下さい…」と頼んで止めて貰えるのでもない。何とか抗って巧く何かが出来るのでもない。何もかもが塗潰されようという中、心を合わせて歌いながら光を照射するという小さな抵抗で“戦争”が退散する。以前の様相と多少異なる平穏な様子が何とか戻って行くという物語だ。
本作は2014年頃に「内戦」という様相が見え始めたウクライナで、地元の作家が「児童“も”読む場合を想定して、画も添えて綴られた物語」として世に問われた作品だ。そんな頃の問題が尾を引いて、更に重大な事態に陥った昨今であるからこそ、広く読まれなければならないのかもしれない。
「児童書」で「絵本」ということになる。が、これは「児童“も”読む場合を想定して、画も添えて綴られた物語」ということになるのだと思う。夢や浪漫が溢れる児童書という中、こういう内容は「如何?」という観方も在ったようだが、昨今の状況を受けて日本国内でも出版されたようだ。
少し広く紹介してみたいと、一寸取上げてみた。