国内各地、文字どおりに津々浦々を巡り、様々なライブを催すシンガーソングライターの松山隆宏が稚内へやって来た。友人から「来る予定が…」と聴いたのは何時だったか?その来訪を楽しみにしていた。休業日の日曜日になりそうということで、それなら行き易いと、時刻や場所が確定する以前から「予定!」ということにしていた。
松山隆宏は愛用のギターを鳴らし、ブルースハープも交えて歌うのだが、永く愛用しているギターは、同時代に送り出された中で「最も長い移動距離?」というような話しになるのかもしれない。(御本人談…)
↓その愛用のギターを手に、松山隆宏は登場した。何度も観ている様子だ。「彼が還って来た!」という感じだ。
↓数多くのオリジナル作品を創り続けていて、何度も演奏している「馴染の作品」の他方、久し振りに演奏しているらしい作品も多く登場する。
↓大きくない会場で、アコースティックギターを演奏し、特段にマイクを使わずに歌うという感じが、永く続けている基本的な流儀であるようだ。
↓長く大切に使っている楽器を演奏しながら歌う様は画になる。カチャカチャとシャッター音がしない「電子シャッターモード」にしたX-Pro2で、画になると思う様子を撮りながら、熱演を愉しんだ。
↓この日、最初にブルースハープを使った場面は、前半の最後に『ヤムワッカナイ』を歌った時だった。
『ヤムワッカナイ』は、ウォッカやら黒パンの国からやって来た音楽家と出会って、共に得意の楽器を鳴らして合奏して歌った想い出を歌い、海辺から沖の新天地を目指した御祖父さんのような世代の人達を想い、「行き止まりなんかじゃない。ここが始まり」と稚内から踏み出そうという感じの歌である。長くCD未収録だったが、少し前にレコーディングの機会が在って制作したというCDに収録された。それも時々聴くが、「生」は素晴らしいのである。
↓何処の人が何時始めたのか知る由も無いが、ギターを弾いてブルースハープを鳴らし、そして歌うというスタイルは非常に好い!!
↓作品に纏わる事柄や、各地を訪ねた際の出来事や、その他の事柄等、様々な話題も曲間に交えて語られるのだが、そういう御話しも興味深い。
↓近年は集まって音楽を愉しもうというような催しに“逆風”だった。ライブ会場で、客席側に踏み込んで近付くようなことも「御遠慮ください」だった。が、漸く気にせずに、踏み込んでも差し支えなくなったという。
↓小規模なライブを時々催すというような様子を続けていた中、興味深い出会いも在ったという。
小規模なライブに際しては、「何時も有難うございます!」という顔馴染の方が多くなるが、中に「初めてですか?」という方が在った。聞けば、随分以前に訪ねて歌った中学校の卒業生で、「中学生の頃、学校にやって来て歌を披露した人が在って…」と不意に思い出し、少し調べると「この人?方々を巡って歌う活動を続けている?!」ということになり、訪ねられそうな場所と日時の公演に足を運んでみたのだという。嘗ては「中学生と青年」であったものが、「中年の、大人同士」ということになった訳だが、永く活動を続けていればこその挿話だ。
そういう出来事も想い起しながら、「中学校を訪ねて、何を歌ったか?」と、やや旧いレパートリーも取上げていた。なかなかに興味深かった。
↓朗らかな愉しい感じの公演の時間が瞬く間に過ぎる。
↓終盤はオリジナルTシャツという出で立ちになって歌った。
↓ブルースハープも終盤に多用した感だった。
↓最後に「オルゴールヴァージョン」と名付けたという、歌の無い、インストゥルメンタルのアレンジの曲も披露された。
↓今回も愉しい一時を過ごした。
全国の津々浦々を巡って歌うというような活動については「果て」や「行き止まり」は無い。何処を訪ねても、公演後には「次の…」を目指して踏み出し続けることになる。そうやって各地を巡って、また稚内へも還って来て頂きたいものだ。
↓この記事で使ったモノも含めて、稚内での松山隆宏公演の様子の画を下記に纏めておいた。
MONO - 24 SEP 2023 : Matsuyama Takahiro at Wakkanai
北海道内各地を訪ね、その北海道を段落させようという日に稚内で公演を催したという。空路、久し振りの東京へ移動し、一週間程後には埼玉県内の催しで歌うそうだ。因みに今般の稚内公演は、借りた会場が「松の間」ということだった。「松ちゃん」とも呼ばれる松山隆宏を迎えるには好適な会場だった…