大阪では、大正期から昭和の初め頃に街が大きく発展して“大大阪”と呼ばれていた時期が在るという。そういう頃に、当時は家庭にまで普及していたでもなかった珈琲を供する店が興った。それらの店では、豆を独自に焙煎して、器具や淹れ方を工夫して珈琲を提供していたというが、そうした中から“大阪ストロング”と呼ばれるような、キツめな焙煎の豆を使う非常に濃く、香ばしい珈琲というモノが登場したという…
日本橋駅から歩いて数分という辺りに、“大阪ストロング”と呼ばれるような珈琲の「源流の一つ」とでも呼ぶべき店が在ると聞いて、立寄ってみた…
↓車輛通行量が多めな辺りから、商店街というのか、飲食街というのか、アーケードになった通を一寸入って、もう1本路地を入った辺りの店なのだが…角に趣の在る看板が掲げられていた…

↑1934(昭和9)年に興ったという、丸福珈琲店だ…方々に喫茶店を出店しているようだが、ここは本店である。
↓店内は、「伝統」が感じられる典雅な雰囲気に溢れている!

↓濃くて香ばしい珈琲と、“珈琲ミルクジャム”というモノを使ったトーストのセットを頂いた…

店の感じは、正しく「古き善き、少し大きな喫茶店」で、「空いている席へどうぞ」と席に陣取ると、ホール係がメニューを持ってやって来て、頼むモノが決まったら係を呼んで注文、そしてモノが運ばれて来るというスタイルだ。(イマドキ風なカフェでは、寧ろカウンターでモノを頼んで、各自で席へ持って行く方式が多いように思うので、こういうのが妙に新鮮だった…)
酷く雰囲気が気に入ったので…大阪を離れる前―この翌日―にも、再訪して珈琲を頂いてしまった…
この記事へのコメント