↓サハリン州郷土博物館の屋外展示の一つ…旧帝国陸軍の九五式戦車である…
↑「終戦70年」というようなことで、2015年頃に占守島から持って来て、修復したモノだった筈だ…
修復時に「好い仕事」をしたと思えるのは、砲塔に在る<士>のマークである。
占守島に送り込まれていたのは「第十一連隊」という戦車隊だった。「十一」を縦に並べて書くと、“武士”や“士魂”という言葉の“士”という具合になる。誇り高く戦場に臨む将兵であろうと、彼らは装備品に「部隊の目印」としてこの<士>のマークを好んで描き込んでいたのだという。当然、戦車隊の主要装備である戦車も、こうした例に漏れない…
↓同時代のソ連の戦車と比べると、余りにも小ぶりで驚くのだが…占守島で、ソ連戦車と交戦はしていない…
↑占守島では、8月18日に濃霧の中で若干の火砲を装備したソ連兵が上陸し、それらと交戦に及んだ際にこの戦車も戦闘に参加した訳である…
↓占守島の戦いを巡っては、下記の小説が酷く興味深い…
>>『終わらざる夏』
↑作中に、学校を中退して戦車の運転資格を得た若い兵士と、その上官の整備班の老兵が出て来て、展示されているこの戦車を視ると、その挿話を思い出してしまう…
この記事へのコメント