かのチェーホフがアレクサンドロフスク・サハリンスキーに滞在していたという1890年頃には、既に家屋が並んで村落が形成されていたというような地域に「チェーホフ通」という住所が在る。
↓そのチェーホフ通の一隅に塀で囲われている他方で、通用扉のようなモノは開き、出入を拒んでいるでもないような場所が見受けられた…覗き込むと、何やら不思議なモノが在って、吸い寄せられるように敷地内へ入った…
↑古式な道標である…
この道標…サンクトペテルブルグ、ウラジオストク、ニコラエフスク・ナ・アムーレというような地名が読める。地名は主にロシア革命以前に用いられた旧いアルファベットで綴られている。そして地名が在る各地への距離は、ヴェルスタ(верста)という、文学作品の翻訳に「露里」と訳出されている場合が在るロシアの旧い単位が用いられている。チェーホフが辺りを動き回っていた19世紀末辺りというような時代であれば「1ヴェルスタ=1066.8メートル」だったとのこと…目安になるモノが在るでもなく、初めて足を踏み入れた場所で方角は少々判り悪いものの、地名が出ている各地への距離は?ここに在る数字の感じで正しいと思われる…
これは3つの施設から成っている<歴史・文学博物館『A.P.チェーホフとサハリン』>の中の1つである施設の中だ。「スタンカ」と呼ばれていた、街と街とを結ぶために馬や馬車を交換するようなことをしていた場所を再現した場所であるという…交通拠点なので、とりあえず道標な訳だ…
一寸気に入ってしまったモノである…
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