函館を訪ねるということであれば…路面電車の1日乗車券を手に、路面電車で沿線を好き勝手に動き回るというような過ごし方が、個人的には非常に好い。
そういうように思ってはいるが、「端から端まで」というように全線を踏破したことが在った訳でもない。他方、全線踏破が困難な程に長大で広範な路線網という程でもない。そういうようなことを思い、「そう言えば至った記憶が…」という湯の川停留所へ向かってみた。
湯の川停留所は、函館の街の南東側と言えば良いのであろうか。温泉が在って、空港へ続く道筋に相当する地区だ。路面電車の起点・終点になっている停留所でもある。運行系統5番の函館どつく前停留所行も、運行系統2番の谷地頭停留所行も湯の川停留所から出ている。(逆に、函館どつく前や谷地頭では、路面電車の行先表示は悉く「湯の川」となっている…)
その湯の川停留所に至り、とりあえず歩道に出れば大きな石段が見えて、そこを上がってみた…
↓なかなかに趣が在る神社だ…
↓参拝者が存外に多い感じの場所で、手水場も水が満ちていた…(冬季は“凍結”ということが在るので、北海道では水が抜かれている場合も見受けられる…)
ここが湯倉神社(ゆのくらじんじゃ)である。
湯の川温泉はかなり古くから知られていたようであるが、18世紀の松前家の記録では、湯の川温泉の辺りに少なくとも1617年頃に薬師如来を祀った経過が在って「100年経った」と綴られているそうだ。その17世紀前半頃、松前家の若様が体調を崩してしまった際、湯の川温泉で湯治を行って快復することが出来たので、感謝の意を表して薬師如来が祀られたと伝えられているらしい。そしてこの薬師如来を祀った経過の在る場所が地域の人達にとっての「心の拠り所」のようになって行く。明治時代以降は辺りの村の神社としての位置が確立される。
何か古くから知られる温泉を擁する地域の神社「らしい…」という挿話を有していると思った…
↓小雪が交じる中で本殿を眺めて参拝もした…
↑社殿は1941(昭和16)年の建物であるという…
↓面白い挿話が在り、古い由緒を誇る社に立ち寄ることが叶ったということに感謝しながらここを辞去した…
函館の辺りは、北海道内では古くから色々な人達が往来した経過が相対的に多く伝えられている場所で、色々と興味深い文物も在るのだ…訪ねて戻って日は浅いが、早速に「何時かまた…」というようなことを考えてみる…
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