宇治上神社…(2020.03.30)

<平等院>が圧倒的に有名な宇治に在って、「非常に有名な神社」というモノも在る…

↓宇治上神社(うじがみ神社)である…
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↑宇治神社の直ぐ近くで「対を成す」かのように鎮座する社である…

↓境内へ入っていく辺りの鳥居の脇に在る桜が「花盛り」で実に美しかった…
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この宇治上神社は「ユネスコ世界遺産」の「古都京都の文化財」の“構成資産”の1つなのだそうだ…京都市、宇治市、大津市に点在する17件の文化財が登録されているという。

個人的には、「ユネスコ世界遺産」には然程の関心を寄せていない。古くから伝えられる様々な文化財には各々に価値が在る。中には、様々な国々の人達がその価値を尊びたいとするようなモノも在るのであろう。が、文化財はそれを愛でれば、敬えば、それで十分だ。「世界○○」等と“権威付け”をしようがしまいが、文化財そのものの尊さに何ら変わりは無い筈だ。そうした文化財等は、粗末にせずに、可能なように護って未来へ伝えるようにすれば善いというだけだと思う。

そういうように思っているので、<世界遺産 「古都京都の文化財」>ということになっている17件を特段に把握はしていない…<世界遺産 「古都京都の文化財」>には「“京都”とでも聞けば、誰もが思い浮かべるような著名な場所、建物」が含まれているのであろうという程度に思っていた。宇治上神社がそれの中に含まれていることを示す、境内の入口辺りに掲げられた石柱は「やや意外?」と思った。

↓こちらが拝殿だ…
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↑平安時代の貴族の邸宅に見受けられたという<寝殿造>の建物の一部で、鎌倉時代後期のモノであるという。以前に上賀茂神社で見掛けた「立砂」(たてずな)が見受けられるのが面白いと思った…

↓そしてこれが、拝殿の脇から廻り込んで視られる本殿である。
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↓この本殿は、「年輪年代測定調査」という方法で建物に使用されている木材を調べた結果、「1060年頃の建築」と判定されたのだという。
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↑「現存する最古の神社建築」ということになるのだ!

実は、この宇治上神社に関して、事前には「現存する最古の神社建築」ということを聞き及んでいて、それに興味を覚えて足を運んでみたのだった。

宇治神社とは本当に「直ぐ近く」なのだが、明治時代以前には<宇治離宮明神>または<宇治離宮八幡宮>と呼ばれ、宇治神社と宇治上神社が「一体」だったそうだ。本殿の中央に「正一位離宮太神」という扁額が在るが、それが2つの神社が一体化していた時代の呼称を想起させるモノになっている。明治時代に2つの神社になって、現在に至っているそうだ。

神社の建物は、色々な時代のモノが各々に受け継がれている訳だが、この「現存する最古の神社建築」に関しては「視られて善かった!」と思った。

「1060年頃」ということであれば、かの<平等院>に関して藤原頼通が1052年に宇治の邸宅を寺院化したことが起こりと伝えられているというが、「概ね同時期」ということになる。そんな時代から、古代の皇子や天皇を祀って、その信仰が千年近くに亘って受継がれている証がこの本殿だ…

「神社」というモノは「1060年頃」という次元ではなく、相当に古い時代に起こり、その信仰は永く受継がれている。そういう中で、この宇治上神社の「現存する最古の神社建築」というモノが確かに在って、千年近く在り続けている…千年近くの間に、天災や戦乱、疫病の流行も在ったことであろうが、「それでも受継がれている」ということになる…何か心動かされながら建物を眺めていた…

やや地味かもしれない場所だが、この宇治上神社はなかなかに興味深い場所だ…

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