稚内駅を列車で出発し、名寄、旭川、滝川と列車を乗換えて岩見沢駅に至った時に考えた…
その日は新千歳空港を目指していたのだったが、「敢えて札幌に寄らない経路?」と思い付いたのだ…
岩見沢に至れば、札幌方面への列車は運行本数も多い。札幌方面で乗換えて、新千歳空港へ向かうというのが「普通」のように思う。が、岩見沢では室蘭線の列車も、運行本数は限られるが発着している。
嘗ては産炭地から集められた石炭を輸送するというようなことで盛況であったと聞く室蘭線である。岩見沢から真直ぐ苫小牧に南下し、苫小牧から先は室蘭に軌道が繋がるという経路が在るのだ。「少し駅周辺で寛ぐ」という程度の待ち時間で、苫小牧行の列車が出ることを確かめると、それに乗車することとした。苫小牧から、新千歳空港の手前の南千歳は然程の時間も要さない…
聞けば…嘗て「国内各地から稚内を目指して船で樺太へ」という需要が在った時代、船で函館に着いた旅客を乗せた列車が長万部に至った後、列車を切り離したのだという。一部は、現在では「山線」という通称で知られる函館線の一部に入り、小樽、札幌へ向かった。別な一部は、東室蘭、苫小牧と進んで岩見沢へ北上し、旭川に至って、そこから稚内を目指したのだという。札幌に寄らない分、近道だったという訳だ…
そういうことを色々と思いながら、「少し駅周辺で寛ぐ」ということをして、ホームで列車を待った…
↓ディーゼルカーが姿を見せ始めた…
↓停止位置が近付いて減速した…
↓停止して乗客を迎え始めたのはキハ150だ。1993(平成5)年から1995(平成7)年に製造されたという車輌だ…
↑この車輌に関して、個人的には美瑛や旭川というイメージが強いのだが、方々で活躍中の車輌だ…
発車を待つ間は「普通列車、苫小牧行です。札幌方面へは行きませんので御注意下さい。この列車ではKitacaは御利用になれません」と録音アナウンスが繰り返されていた。岩見沢駅に在って、列車運行本数が少ない苫小牧との間を往来する列車は「ややイレギュラーな少数派」ということなのかもしれない。列車は岩見沢市内や近隣の町の駅へ向かう人達が存外に多く乗車していたという感だった…
<青春18きっぷ>を手に、「ほんの少し変わった経路」を敢えて選んでみるのも、存外に愉しいものだ…
この記事へのコメント