音威子府駅…(2020.04.04)

旭川駅からの普通列車は北上を続け、豊清水駅で南下する特急列車を擦れ違い、更に北上して音威子府駅に至る…

↓音威子府駅では「一寸戸外の空気を…」という程度には停車する…
04-04-2020 Otoineppu
↑以前は、普通列車で宗谷線を移動すれば、音威子府駅で何やら長く停車するイメージであったが、最近はそれ程でもない…

「音威子府」と書いて「おといねっぷ」と読む…

アイヌ語の「オトイネプ(o-toyne-p)」が由来であるという。、「川口の濁っている川」という程の意味で、音威子府川が天塩川に合流する辺りが泥で濁っていたことからこう呼ばれるようになったと考えられているのだそうだ。

案の定、古いアイヌ語が少し転訛しながら漢字が充てられたという、北海道内ではよく見掛ける来歴の地名である。意外に歴史は在り、1797(寛政9)年の文書に「ヲトヱ子フ」という標記で登場しているそうだ。

1857(安政4)年には、かの松浦武四郎が天塩川流域で活動しており、音威子府に足跡を記している。ここでアイヌの古老と話し、アイヌは北海道のことを「カイナー」と呼んでいることを知った。「カイ」はこの国に生まれた者、「ナー」は尊称ということであるという。後年、松浦武四郎は「アイヌの国」という意味合いの「カイ」を採り入れ「北加伊道」という地名を提案し、それが転じて「北海道」になったという経緯が在るらしい…(「カイ」に関して、より新しいアイヌ語研究では「そういう意味か?」ということにはなっているらしいが…)

音威子府は大変小さな村で、非常に静かな場所なのだが…意外に深い歴史が在る。そんなことにも少し思いを及ばせながら、短い停車時間にホームで身体を伸ばし、更に北上を続けたのだった…

この記事へのコメント