汗をかいた…:運行日誌(2020.08.01)

初めて足を踏み入れた地…高知に在る…

居酒屋で「高知らしい…」というようなモノを少々摘み、後は休むばかりである…

「眠たくなれば眠り…眼が開けば動き回り…草臥れれば動かない…」という程度なのが「所詮は“生物”」である人間の在り方のようにも思うのだが…こういうのを寧ろ「気儘な時間の過ごし方」とでも言うのかもしれない。が、「気儘な時間の過ごし方」というモノは「活き活きとしている」という自覚をもたらしてくれるのかもしれない。

前日は、振り返ると「酷く汗もかいた…」という程度に動き回っていて、善通寺、丸亀、高松で各々の文物に触れて愉しく過ごした。

「どうしようもないわたしが歩いてゐる」という種田山頭火の句が在るという。何時もこれを、殊に旅路では思い出してしまう。本来、この句は「何も残されていない救いようもない私がひたすら歩いている」という程度の意味で、「歩く以外に生きる術もない」と旅を続けた作者の想いが謳われた作品であるようだが…私が「どうしようもないわたしが歩いてゐる」という句を思い浮かべる際には、敢えて言うと「訳もなく動いて、自身が生きている、生かされている喜びのようなモノを感じ、心弾まずには居られない」ということと、「訳もなく、無計画に動き回る…愚か者の所業かもしれないが、それが愚かな行為なら、自身は愚か者で大いに結構!」というようなことを考えるのだ。

ストイックに<青春18きっぷ>に拘るのでもないが…行程の多くは<青春18きっぷ>に頼りながら稚内から高松に至った。(冷静に考えると、新千歳・神戸のフライトが「最大の移動距離」かも知れないが…搭乗している“時間”は2時間なので知れている…)各々の地域の“日常”に紛れ込みながら、「どうしようもないわたしが歩いてゐる」という気分で「辺りの普通な列車」に何となく揺られて方々を訪ねるのは心地好い…

そういう「心地好い」の他方、近年の鉄道は「主要都市間を結ぶ特急列車」に軸足が置かれている感である地域も見受けられ、<青春18きっぷ>の「普通列車のみ随意に乗降可能」というルールでは「やや…使い悪い?」も生じ得る。「普通列車の合間に、少し遠くへ向かう特急列車が運行」というのでもなく、「主要都市間の特急列車が運行されている隙間に普通列車が一寸動いている」というのが眼に留まる例が…増えているかもしれない?

「夏らしい!」という陽光の下に、様々な文物を擁する地域が連なる四国なのだが…高松に比較的近い辺りを除くと、「主要都市間を結ぶ特急列車」に軸足が置かれている感なのかもしれない。そう思っていれば…<四国満喫きっぷスペシャル>というモノに出くわした!

JR四国では、特急列車(自由席)や普通列車に「3日間随意に乗降可能」という切符を売っている。それと同じ内容だが、この7月から9月の期間、「週末が入る3日間」に関して、「3日間随意に乗降可能」という切符が8千円で売られているのだ!前日に高松駅でこれを確り入手しておいた…

この<四国満喫きっぷスペシャル>を手に高松駅へ向かう。汗をかきやすい状況…こういうことであれば、サッカーのロシア代表チームの関係者が身体を動かす場面で使う仕様であるという、ユジノサハリンスクで仕入れた、青系にロシアチームの<双頭の鷲>が胸に入った、「汗でも乾き易い」という化繊のTシャツが重宝する。それを着て出発だ…

朝7時5分には列車に乗り、高松から徳島へ向かった。徳島には朝8時14分に着いてしまった…辺りを少しばかり散策したが、朝早過ぎて「何となく動いていない…」という感の徳島で、やや興が乗らない…

そういう次第で朝9時には列車で移動…今度は穴吹駅に向かい、徳島県の内陸部、美馬市の脇町を訪ねた。往路は駅前からタクシー、復路は<美馬市営バス>と称するマイクロバスで駅とそことの間を往来である…

吉野川は古くは舟運に活用されたが、脇町は藍の商いと関連の舟運で栄えた経過が在る地域で、“うだつ”というモノを備えた立派な古い建物が集まっている地区だ。

そこから…阿波池田駅へ列車で移動し、乗換えて高知に至った…高知では路面電車を利用し、高知城を眺めに出た。高知城は天守閣の一部が工事中で「美しくない…」という感で残念だったが、古い姿をよく伝える、なかなかに興味深い場所であった…

<四国満喫きっぷスペシャル>は特急列車の自由席に乗車可能だが…高松・徳島間、徳島・穴吹間、穴吹・阿波池田間、阿波池田・高知間の、「本日の乗車区間」の全てが特急列車の自由席という結果になった。が、「特急が多数派、或いは多数派に視えた区間」であった訳だ…

好天に恵まれ、気温は30℃を超えていた…酷く汗はかいてしまった…とりあえず、2018年のW杯サッカーのロシア代表チームのレプリカユニフォームに着替えた…これもまた「汗でも乾き易い」という化繊のTシャツということになる。

「汗をかいた」とは、「努力をした」とか「仕事をした」という意味合いで用いる場合が在る表現だが…今日は、黙っていて物理的に汗をかいてしまった…暑かったのだ…

明日?仔細は明朝に考えることにしたい…

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