「奈良に滞在し、滞在中に一寸、京都にも寄ってみよう…」というようなことを思い付く場合、奈良・京都間の移動には色々なやり方が在るとは思う。
自身が「気に入っている方式」の一つは、JRの京都行の列車に乗り、京都駅の手前の東福寺駅で下車し、京阪の列車で京都市内の東寄りな側を北上しながら街へ入って行くというような方法だ。奈良・東福寺間の各駅停車は、1時間強を要するが…
そういう自身なりの方式で京都に寄ろうとしていた際、「東福寺駅から20分程度も歩くと泉涌寺が在る」と気付いた。「名前は聞くが、全然訪ねたことが無い」という泉涌寺なので、訪ねてみようと思い立った…
東福寺駅で案内図を視て、<泉涌寺道>なる文字どおりに「泉涌寺へ続く道筋」を見出す経路を考え、午前中から陽射しが強くなって行く様子を感じながら泉涌寺に至った…
↓辿り着いた泉涌寺で、こういう様子に注目した…
↑大きくダイナミックでありながら、精緻な感じの透かし彫りが施された門扉に、皇室が用いている「菊の御紋」が視える…
泉涌寺は鎌倉時代以降に皇室との独特な関係を持っていた寺ということになる。それ故に「菊の御紋」が見受けられること自体は自然な感じもする…
↓注目した門扉が据えられた門はこういう具合で、奥に品格の在る建物―所謂「宸殿造」というようなモノ―が視えている…特段に公開されているのでもないが、何やら興味深かった…
これは歴代天皇の御尊牌(御位牌)を祀る、<霊明殿>と呼ばれる建物なのだという。1884(明治17)年に「明治天皇の思し召しで宮内省が再建」という建物であるという。それを知れば、明治時代以降の方が一層「皇室の御威光」を顕示しようとした側面が在る訳で、注目した門扉が放っていた独特な雰囲気にも得心する…
それにしても、何か「独特な軸の時間が流れていた空間」というようなことを感じながら、この建物を少し眺めていたのだった…
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