↓近鉄の藤井寺駅の近くに葛井寺が在る…
葛井寺を擁する藤井寺市の名は葛井寺に由来するのだという。南河内地域の街で、8.89平方キロメートルという市域の面積は全国の市で5番目に小さいが、「7142人/平方キロメートル」という高い人口密度は大阪府下で8番目である。大阪市から南東へ15km程で、所謂ベッドタウンとなっている。
葛井寺は百済王族の子孫である渡来人系氏族葛井(藤井)連(ふじいのむらじ)の氏寺として、8世紀中頃に創建されたと推定されているそうだ…
↓広壮な伽藍というような感でもないが、何か風格が漂うように感じられた…
↓重厚な本堂だった…
葛井寺の本尊は「十一面千手千眼観音菩薩」である。この千手観音坐像は、文字通り゛千の手”と”千の目”を持つ千手観音だ。頭上に十一面を頂き、錫杖や宝輪、数珠などを持つ「大手」に、孔雀のように拡がる1001本の「小手」、そして正面の合掌手を合わせ「1041本」の手を持っている。 さらに、掌にはそれぞれ眼が描かれているという。
この本尊は聖武天皇の勅願で制作されたとも伝わる貴重な像で、国宝となっているとのことだが、「日本で最初の千手観音像」と言われている。毎月18日に開帳されているそうだ…“千手観音”という像の様式が定番化する以前の、「何とか形にしたい…」という熱い想いが込められて創られたような像が葛井寺には受継がれている訳だ…
↓大変に貴重な仏像と、そこに寄せられる人々の想いを受継ぐような葛井寺…なかなかに好い雰囲気だったと思う。加えて、藤井寺駅に近く、訪ね易い場所だった…
相当に古くからの営みが伝えられる地方ということになる南河内地域は一寸面白い…
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