<にしん甘露煮>…(2021.04.25)

「身欠きにしん」というモノが在る。

鰊(にしん)は北海道では大量に漁獲されていた魚だが、冷蔵技術等が発達していない時代には、内臓や頭を取り除いて乾燥させるのが一番合理的な保存法であった。大量の鰊を日本各地に流通させるために、干物として加工されたものが身欠き鰊である。

既に18世紀には、蝦夷地から各地へ送り出された品物の中に、現在では「身欠きにしん」と呼ばれている鰊の干物が見受けられたらしい。そういうことで長い期間に各地へ送り出された「身欠きにしん」は、辿り着いた各地で色々な方法で調理されて食べられるようになり、現在にもそういう料理が方々で伝わっている。

↓色々な料理に使う<にしん甘露煮>は、各地で工夫されて使われるようになった「身欠きにしん」の代表格のようなモノだと思う。
25-04-2021 my one (1)
東京の築地の店から取り寄せてみたのだった…

考えてみると、拙宅で「口に入るモノ」と言えば、珈琲豆、酒類、更に強いて挙げれば服用する処方薬程度で、何も無い…「祝日が続く予定なので、少し何か…」と思った時に偶々見付けたのだった。

↓方々でポピュラーな「にしん蕎麦」に載せるような感じの、そのまま摘むことが出来る甘露煮である。袋を開けた後は、扱い易いように保存用容器へ…
25-04-2021 my one (3)
↑一般向けに小売りしているが、飲食店等での業務用に卸すモノでもあるらしい。洗練された甘味が加わった醤油ベースと思われるタレで煮込んであって、本当に美味い!箸の動きが停め悪くなってしまう…

<にしん甘露煮>というような、「身欠きにしん」の利用方法として非常にポピュラーな訳だが、そんなモノを摘んでみると「昔の人達が築き上げて運用していた広域輸送網の経過」というような歴史に想いが巡るのだが…それはそれとして、この<にしん甘露煮>が酷く美味い!!焼酎を少々頂きながら、何となく摘んだが、実に好かった!

「業務用」を謳う容量が多めなモノを入手したが、非常に美味く、存外に早く無くなってしまいそうなので、素早く「追加発注!」ということにしてしまった。

この記事へのコメント

  • 6x6

    「にしん」は特に好きというわけではないのですが、何故だか急に食べたくなる時があります。この甘露煮、日本酒のお供に良さそうですね!。
    京都在住の時に驚いたのですが、京都の人は「にしんそば」を良く食べるんですね。長い伝統があるんだろうなと思いつつ、僕は普通の蕎麦か、天婦羅蕎麦を食べていました。

    追伸:防波堤ドームの一連の写真、雰囲気があって良いですね。
    2021年04月28日 08:30
  • Charlie

    >6x6さん
    こんばんは!
    東京・築地から取寄せてしまった<にしん甘露煮>でしたが、かなり美味かったです。さり気なく「過去形」で「美味かった」としましたが、ここに写真を掲載したモノは食べてしまったので、追加発注して苦笑いです。
    この<にしん甘露煮>は「酒の肴」には本当に好適だと思います。私の場合、愛用のタンブラーで焼酎や泡盛を頂く場合が多いのですが、それらに非常に合います。日本酒でも好い感じだと思います。
    京都辺りでは、麺モノを売っている場所に、かなり高い確率で「にしん蕎麦」が在りますよね。多分、江戸時代に物流が発展して、日本海側から“身欠きにしん”が京都辺りにもドンドン入って、そこから<にしん蕎麦>に使う甘露煮のようなモノが人気料理になったのだと想像します。そんなことを綴っていると、「時折、にしん蕎麦を頂きながら京都を徘徊」という様子を思い描いてしまいます…
    稚内港北防波堤ドームの画も御愉しみ頂けているようで嬉しいです。結果的に一定以上の頻度でふらりと寄っては写真を撮っていますが、毎度「異なる趣」なので、眺めて撮って愉しいです。今後もドンドン撮って、こちらにも画を載せたいものです。
    2021年04月28日 18:39