旭川銀座商店街の「店頭に“虎”」の店辺りから、鉄道の高架が視える方角へ進むと「15丁目」、「16丁目」…となって、「18丁目」に至れば旭川四条駅だ。
旭川四条駅辺りの鉄道の高架下を潜って、更に進むと「20丁目」に至る。そこで辺りを見回してみた。
「4条20丁目に酒造会社の敷地に古い煉瓦造の大きな建物が在るのが道路から眺められる」とぼんやりと覚えていたのだ。しかし…らしいモノが見当たらない?
折良くおばちゃんが通り掛かった。
「すみません…」と声を掛け「<合同酒精>の古い建物の視える場所が“4条20丁目”と聞いていたのですが?」と尋ねてみた。
おばちゃんは「あぁ!アレ…それは“南4条”で、ここは“4条”…だからこの道を…随分行くと思うけど、行くと大きな歩道橋が在って、その辺が“南4条”ですよ」と教えてくれた。御礼を言って言われたとおりに進んでみた。
旭川銀座商店街を北上した際と逆順…「四条通」、「三条通」、「二条通」、「一条通」、「宮下通」と進むと…次に「南一条通」、「南二条通」…となっている。古い住所の決め方のようだ…因みに些か西へ行くと、鉄道用地の転用というような事情が在るらしく、「南一条」というようなことでもない別な通の呼称が冠せられていた。そこでこの「南〇条」をよく知らなかった。加えて「4条20丁目に酒造会社の…」とぼんやりしていて「南4条20丁目」というようには記憶していなかった訳だ…
↓道を尋ねた際に教えてくれたおばちゃんが言及したような歩道橋を潜ると、こういう具合に広い酒造会社の敷地が在って、向こうに“塔”のような建物が視えている…
↓近付けば、本当に見上げるような建物だ…
↓独特な風合いの煉瓦造の“塔”である…
↓通の反対側に渡って眺めた。漸く全体の形が判るという大きさだ…
この建物が在る<合同酒精株式会社>だが、1924(大正13)年に北海道内の焼酎製造会社4社(神谷酒造株式会社 旭川工場、東洋酒精醸造株式会社、北海道酒類株式会社、北海酒精株式会社)が合併して設立されたのだという。画の煉瓦造の建物は「前身会社」の<神谷酒造株式会社 旭川工場>が1914(大正3)年に建てたものであるという。
↓創建時には相当に目立つ建物であったことであろう…
<合同酒精株式会社>は、焼酎や清酒等を製造する大きなグループとなって現在に至っているが、現在の旭川工場での代表的な製品は、北海道産酒米を使う<大雪の蔵>という銘の清酒である…
↓脇の大きなタンクや電柱と比べると、この煉瓦造の“塔”が如何に大きいかが判る…
随分と廻り込んで歩いたのだが…旭川駅辺りからであれば、宮下通を東側へ進み、旭川銀座商店街の「14丁目」辺りを通り越し、<高砂酒造>という老舗会社の古風な建物と鉄道高架が視える辺りに出て、高架を潜って「20丁目」に至れば、南側に相当する右手に大きな歩道橋が視え、そちらの方向へ進むと着く…旭川駅辺りへ引揚げる際は、この経路(逆順だが…)を歩いた。
旭川には「酒造の街」という一面が在る。そういう経過を伝えてくれるのだが、「1914(大正3)年竣工の煉瓦造の大きな建物」というだけで一見の価値は在ると思う…
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