朝の末広埠頭の緑地に在って、「やや見慣れない船」の存在に気付いた。
緑地から何となく視える埠頭については繋留濠の第一副港のように、関係者が「うちの場所…」とでも言っているかもしれない「殆ど常時繋留」という船が在るということでもない。様々な種類の、色々な形の船が必要に応じて入稿して停泊しているという様子の場所だ。
何となく「視たことが在る…」という形ながら、「稚内港に常時在るような船」ということでもないという船のすがたが視えていたのを認めた訳だ。
↓その船が末広埠頭辺りで俄かに動き始めた…
↑後方の小さ目な船は稚内港に常時在るタグボートだ。前方の船は「視たことが在る…」という形ながら、「稚内港に常時在るような船」ということになる。
眼を凝らすと、船のやや後ろ側の側面に文字が視える。<СВИЦЕР БУССЕ КОРСАКОВ>と在る。これは<スヴィッツァー ブッセ>という船名と、コルサコフというサハリンの港の名を示している…
↓この<スヴィッツァー ブッセ>は、稚内港のドライドックを利用すべく、サハリンからやって来ていて、視掛けた時は正しくドックに入ろうとしていた場面だった…
サハリンの南側、コルサコフ地区のプリゴロドノエの港は、サハリンで進んでいる資源開発によって得られた原油や、天然ガスを加工したLNGを方々に送り出す場所で、巨大なタンカーが出入りしている。その巨大なタンカーの港への出入りを支援するために大きなタグボートが必要となる。<スヴィッツァー ブッセ>はそうした大きなタグボートの1隻ということになる。
<スヴィッツァー ブッセ>という名の前半である「スヴィッツァー」はタグボートを運用する会社とということになる。「ブッセ」はサハリンの景勝地から採用した呼称と見受けられる。
↓半ばは船自体が進入するという感で、半ばは綱を掛けて慎重に引き込むという」感で、舳先に誘導を担当する係員が陣取って、船は慎重にドックに進んで行った…
↓慎重に船の位置を定めてしまうと、後は色々とこまごました用事を片付けながら停止位置が定まって行くことになる。
稚内港は「ドライドックを備えている」という点では、サハリンから視て「ロシア国内のドライドックを備えた港」よりも「距離が近い!!」ということにもなる。そういうことで、このLNGタンカーを支援するタグボートを運用する会社を含め、「船関連で何か在れば、対岸に在る稚内の会社に…」ということにしている会社も在るのだという。あのサハリンのLNGは、「日本の需要の1割程度」を賄っているのだという。それを想えば、小さな稚内も、なかなか重要な役目を負っているということになるかもしれない…
↓必要な作業を円滑に進めるべく、関係者の皆さんの奮戦が始まるのであろう…
暫しこの辺りを離れ、昼食を摂る、買い物をする等して過ごした。
↓再度このドライドックの辺りを眺めた…水を抜いた後だった…
↑冬季には凍る海域で動く関係で、丸く深い感じの、独特な船底形状をしているのが面白い…
今般、この<スヴィッツァー ブッセ>は修理の必要が在って、稚内のドライドックに入渠したらしい。が、過去にこの船や同型船が整備のために稚内港を訪れていて、このドライドックの辺りで視掛けた記憶も在る。
が、それでも「入渠しようとしている場面」を視るという機会は然程多く在るのでもない。なかなかに興味深かった…
この記事へのコメント