東西に延びる通の名と、南北に延びる通の名とを組合わせて地点を特定するというのが京都という街の流儀だ。その流儀に則って「五条大宮」と呼ばれる辺りの宿に在る。
強引に高野山を訪ねて満喫したのだが…引揚げに際して、伊丹空港から新千歳空港に飛ぶ予定とした。直ぐに空港に向かっても善かったが…「大阪の北側か京都にでも陣取るなら、空港に入り易い筈…」と思い。高野山から京都にゆっくりと移動して、京都で少々過ごし、休んで翌日に空港を目指して飛ぶという段取りにしていたのだ。
高野山の宿坊、金剛三昧院で朝を迎えた。精力的に動き回って早めに休み、深夜に起き出し、何となく居眠りも交えながら早朝にまた起き出すという様子だった訳だ。
初めての宿坊であるが、朝6時半からの勤行に参加した。読経を聴き、焼香し、勤行が催されている位牌堂に鎮座する阿弥陀如来に御参り、その後は本尊の愛染明王に御参りである。終了後は名誉住職の御話しだ。営々と受継がれる弘法大師空海が創めた信仰、そして積上げられた様々なモノは国際的にも評価されて世界遺産ということにもなっているが、そういう中に金剛三昧院の営みも在り、一寸意外な苦労も多いという御話しが面白かった。自然豊かな山林の中に立地する訳だが、鹿が植物を食べてしまうということの他、ムササビがやって来て、障子を破ってしまう、茅葺の柔らかい素材な屋根に穴を開けるという事も在るのだそうだ。金剛三昧院には様々な来訪者が在る。明らかに仏教徒ではない、外国人が来る場合も在るが、それでも本尊へ手を合わせるさり気ない仕草に品位のようなモノが感じられることも在るという。「仏に手を合わせて一寸御挨拶」というような感じを大切にしたいというような話題だった。加えて「21日」は「弘法大師は3月21日に入定」と伝わることから、真言宗では大切にしていて、法要を催すことや縁日の催しが在るものだという話題も在った。
「高野山を満喫した…」という想いで、街から高野山駅へバスに乗り、ケーブルカーと2本の列車を乗り継いで南海なんば駅に至り、地下鉄へ梅田に出た。大阪駅へ移動し、大阪駅辺りの店で昼食を摂り、JRの新快速で京都駅に出た。そして近鉄の列車で1駅の東寺駅に向かい、東寺を訪ねた。
東寺…好天な日曜日が「縁日」…凄まじい人出…圧倒された。それでも「弘法大師」の御朱印だけは確りと、行列して頂いた。
東寺からは大宮通をゆったりと歩いて北上した。途中で西本願寺に道草し、更に島原大門の辺りに出て「随分と以前に…寄った!」と記憶の在る浴場施設が所在していることに気付いた。思わず立寄って、サウナを利用し、湯に浸かって寛いだ。
そんなことをして宿にとりあえず入った。その後、夕刻に平安神宮辺りに出て、京都駅まで移動して夕食を摂ろうとしたが、方々が「何処も彼処も…長蛇の列!?」という程度に酷く込み合っていて閉口した…何となくうどんを頂いた。そこから宿に引揚げて寛いでいるというような感じだ。
好天の日曜日…紅葉の好い時季…所謂「観光地」は何処も賑わっていた感だ。京都がそうだったが、大阪方面へ移動する際に擦違った、高野山へ向かう列車も乗客が多いように見受けられた…
それはそれとして、高野山と京都で、自身でも苦笑いが漏れる程度に随分と精力的に歩き廻っている…明日は如何いう按配になるか?
この記事へのコメント
ライカ
そうでしたか! 今奈良は紅葉の真っ最中で、
見所もあったんですが…今回は残念ですが、
又のお楽しみとして…。
それにしても高野山の宿坊体験はとても満喫された様子が朝6時半からの勤行での体験が面白く伝わって来ました。我が家の仏様も「普門院」に収めてあるので、
よく判りました。良い経験をされましたね。
確かに前回行った時に外国人が多く宿坊に泊まりに
来ているのを観て、ちょっと違和感を覚えましたね。
京都に入られたんですね。
今の時期、紅葉で京都は近寄りたくは無いほど観光客が溢れているのではないでしょうか?
東寺には12月21日「終い弘法」という縁日で
骨董市のような観て楽しい市が出ます。
特に年末の「終い弘法」は規模が大きく賑わいます。
私も今年は行く予定です。
高野山での記事、楽しみです。
Charlie
こんばんは!
「運行日誌」シリーズに目を通して頂き、ありがとうございます。
「好天の日曜日」で「紅葉の好い時季」ということで、少々驚いてしまう程度に京都は賑わっていた様子です。
「縁日」は失念していて、東寺の凄い賑わいに戸惑う程でした。そんな訳でチョロチョロした顛末をここに綴りました。島原大門近くでサウナに入った御蔭で深く眠った感です。(笑)
紅葉または黄葉ですが、「未だ進行中」とか「色褪せてしまっている」というのも見受けられて、「うわぁ!綺麗…」は未だ出くわしていません。「時季が終わっている」とされる高野山で「残滓…」のような紅葉が在りましたが、そちらの方が鮮烈でした。今日、空港へ向かう前に少しだけ動き回ろうと思っています。
宿坊では一族の位牌に関することで高野山入りしたと見受けられる皆さんも見受けられました。ライカさんもそういう感じで訪ねられた経過も在るのですね。そうした事柄も在るでしょうが、高野山は「日本の文化的伝統に親しむ場所」としては好適な面が在って、そんな中で伝統の片鱗を実体験することが出来る場合も在る宿坊での滞在は、外国人まで含めて評判が好いのだと思います。
もう北上(=引揚げ)を残すだけですが、残り行程も愉しみ、色々と写真や記事を御紹介したいと思います。