平安神宮が在るような辺り、「岡崎」と呼ばれる地区―名を聞いて「名古屋の東の向こうの??」と誤解してしまうが…―には様々な施設等が在り、多少足を延ばせば様々な名所も訪ねることがし易い。地下鉄の東山駅の界隈というような感だが、好天の日に、更に雨交りな日に歩き廻り、今般は何となく辺りに親しむことが叶った。
↓雨交りな中を歩めば、濡れた広場の面に姿が薄く映り込む旧そうな建物が在った。
↑書体の呼称がよく判らないのだが、古めかしい印鑑か何かに在りそうな書体で「館書図都京」という文字が在る。これは旧い綴り方による「京都図書館」に他ならない。
所謂“近代”に入ってからに限っても、京都の図書館の歴史は厚みや幅が在るようだ。ここで建物を見掛けたのは京都府の図書館である。
画に在るのは1909(明治42)年に現在の位置に移った際に建てられた建物の一部ということになる。
1909年の建物は長く大切に使用されたのだが、1995(平成7)年の「阪神・淡路大震災」によって建物に損傷が生じてしまった。それを受けて、地上4階地下2階建の新しい建物に改め、2001(平成13)年に開館して現在に至っている。その際に、明治時代からの建物の正面壁を残して広場から見える箇所に組み込んだのだ。
傷んだ建物を新たな建物に改めて、大切な収蔵資料を遠い先に確かに伝え、安心して利用出来るように活動を続けるというのが公立図書館の本旨だと思う。が、ここはそこに「壁の保存」という要素を加え、大切に受け継がれた図書館や人々の想いをも伝えようとしている感である。
通り掛って少し眺めただけだが、眺めて嬉しくなるような施設だと思った…
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