<田中酒造店>…:小樽(2023.03.05)

小樽の街を歩いた。小樽駅から運河沿いに小樽市総合博物館へ至り、展示を愉しんだ後に、小樽駅へ通じる道筋を目指した。

好天に恵まれて心地好い状況では在ったが、些かの気温上昇と陽射しで積雪が融け、足元が酷く濡れていた。加えて、冬季間は歩道の除雪状態の関係で歩行者が歩き悪い感じの場所も散見した。

↓些か歩き悪いとブツブツ言うような感と、好天で心地好いという感とが複雑に入り混じった中、何やら趣深い建物が眼に留まった。
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↓<田中酒造店>という会社の本店だ。「寶川」または「宝川」という銘の酒を製造販売している。
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<田中酒造店>は、1899(明治32)年に現在の本店が在る場所の辺り―この記事の写真を撮った辺り―で起こったのだという。創業120年を超えたところだ。物資の統制等が行われた戦時中に醸造を止めていた時期も在ったものの、1950年代に入ってそれが復活している。1956(昭和31)年には、現在の会社の体裁を整えている。平成に入って、本店を街への来訪者等も迎える販売店として整備し、更に醸造の様子を見学することも叶う蔵を別な場所に整備したということだ。

↓こういう小さな瓶で「宝川」が売られていたので、思わず求めた。
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↑「そのまま(包装は無用)で持って帰ります…」と上着のポケットに容れて外に持ち出し、一寸呑んでしまった…何回かに分けて、何時の間にか小瓶が空いた…

港を擁する街で、北海道内の石炭を積み出す場となり、様々な物資を受容れる場となり、各種の商取引の拠点となった経過も在る小樽である。そういう街では酒の需要も在る訳で、この<田中酒造店>のような業者も起こったのであろう。

街の歴史に想いが巡るのだが、それはそれとして、スッキリしていながらも少し芳醇な感じがした「宝川」が、自身の好みに合って美味かった。「健康上の課題」が無いでもないので、清酒のような醸造酒は少し控えてはいるのだが…

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