「多少勝手知った(つもりになっている)他所」という感の旭川に在る。利用者アンケートで「10回以上利用」というように回答はするが、実際に何度利用しているのか判らない程度に利用している宿に入った。最早、勝手な言い草ながら「旭川の別宅」という気分の場所だ。
少し眠りが浅い感も否めなかった夜の次の夜で、何か深く眠り、そして早目に眼が開いた。ゆったりと準備も可能な様子の早朝だった。
出掛ける際の定番は、朝6時36分に稚内駅を発つ特急列車に乗車するということになる。ゆとりを持って駅へ向かい、ゆったりと乗車した。車中での居眠りというような様子も在ったように思うが、曇天の中で順調に列車は南下し、予定どおりに旭川に着いた。
最近読んだ小説『氷点』に、作中人物が<ちろる>という喫茶店で珈琲を飲む場面が在る。この<ちろる>という喫茶店は1939年に起こったという老舗で、『氷点』が登場した昭和30年代末にも実際に営業していて、作者も街へ出た際に立寄っていたというような話しだ。その<ちろる>が現在も旭川の街に在る。古くからの建物と店名を受継ぎ、2011年頃に内装を改めて営業しているということだ。この御店のことを知り、一寸寄ってみたくなった。「モーニングセット」ということで、ブルーベリージャムを塗るトーストと、浅煎りの個性的な味わいながらも老舗らしい感じがした珈琲を頂いた。
そこから然程遠くない辺りに在る、真言宗の寺である真久寺を訪ね、無事に旭川入りして休日を過ごす運びとなったことに感謝の意を表する御参りで、御朱印を頂いた。
旭川駅の辺りに向かい、少し考えたが、結局は旭山動物園を訪ねた。明日から少し休園して冬季開園の準備に入るらしい。現在のシーズンの最後ということになっていた日だ。片道500円、所用時間は30分から40分程度のバスに乗車して訪ねた。混み過ぎでもなく、何となく愉しんだ。
宿に入って一息入れ、食事を摂るべく街に出た。7月に寄って焼売を頂いた店に足を運んだ。何時の間にか餃子も出るようになっていて、色々と頂いた。考えてみると、朝から夕方まで、<ちろる>のトーストを頂いた程度であったので、酷く空腹であった。そういう中で焼売や餃子を頂いた訳だ。
少しだけ空気は温いと思った。冷え込みに警戒したが、然程でも無かった。他方で些か、雨が交じる場面も在ったが、それ程酷い雨でも無かったと個人的には思う。夕刻も少し雨が交じって湿っていた。
居室で寛ぎ、眠気が射せばそれに抗わずに休もうと思う。何か、凄く「好きな時間の過ごし方」をしている気がする。こういうのが好いのだ。
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