↓1899(明治32)年の建築であるという。明治期の小樽の商店建築という雰囲気をよく伝えている建物であるという。
↑左右両側に大きな“うだつ”という形が凄く特徴的だ。
様々な物産を扱い、肥料販売や海運を営んだ商店であったという。明治期に肥料と言えば「鰊しめ粕」であって、小樽はしめ粕の材料になる鰊の漁が盛んであった場所だ。鰊漁の網元が建てたという屋敷、鰊漁の番屋を見学したことも在った。
画の商店の主であった金子元三郎(1869-1952)は、政治家としても知られる。初代の「小樽区長」を務めたそうだ。「市長」ということになる。
※ 1888(明治21)年に市制、町村制が定められたが、北海道ではそれが適用されなかった。1899(明治32)年に北海道での町村制と併せて「区」が設けられた。
※ 「北海道区制」で言う「区」は、各地の「市」に準じるが、各地で「市会」(議会)に認められていた権限等で認められていないモノが見受けられた。
※ 「北海道区制」の施行後、直ぐに札幌区、函館区、小樽区が設置された。1914(大正3)年に旭川区、1918(大正7)年に室蘭区、1920(大正9)年に釧路区が設置された。
※ 1922(大正11)年に北海道を除外した市制に関する法改正が在り、北海道内の6つの「区」が「市」になった。
古い建物には、地域の色々な経過が滲むというものである。
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