<排雪列車「キマロキ」編成>…(2024.05.11)

↓「名寄」とでも聞くと「コレ!」を思い出す。名寄駅から旭川方向に列車で少し進むと、車窓にコレが見える場合も在るが「一瞬見える」という様相だ。近くに足を運んで少しゆっくり眺めるのがより好い。
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↑名寄では<排雪列車「キマロキ」編成>の屋外展示が観られる。色々な関係者の皆さんによって大切に護られている。こういう屋外展示は、冬季間には積雪の故に確りと覆うのが北海道内では寧ろ普通だ。名寄も例に洩れないが、例年4月末頃に覆いを外している。「観られる!」と思い出し、列車待ちの時間に足を運んだのだった。

2022年6月に立寄ったのが最も近い訪問であると思うが、大変に興味深く、気に入っているので何度も立寄っている。

↓編成の先頭に立つ蒸気機関車59601号機である。方々で長く使われた9600形蒸気機関車である。
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↑1921(大正10)年に製造された59601号機は、1972(昭和47)年迄の半世紀余りも名寄で働き続けた。

↓続いてマックレー車だ。線路脇等の堆い雪を掻き寄せるようにする。
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↓そしてこれがロータリー車だ。1939(昭和14)年に製造されたモノであるという。
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↑蒸気機関車が走る機構を応用し、車輌前方の巨大な羽を回転させて雪を飛ばしてしまうロータリー車だ。一見すると機関車のようだが、自走能力は無い。

↓余談ながら、サハリンで同様のモノを観たことが在った。2018年11月だった。北海道内で使用されているモノと同型、または似たモノが樺太時代に運び込まれ、戦後も長く使われて、サハリンでも「鉄道の歴史を伝える車輌」という扱いになって展示されていたのだと思われる。
02-11-2018 Railway Museum (9)
↑ハッキリ言えば、サハリンの例と名寄の例位しかこの車輌の展示は思い浮かばない。そういう意味でも貴重だ。

↓名寄のロータリー車だが、大きさは蒸気機関車と殆ど変わらない。
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↓そして蒸気機関車D51 398号機だ。最も多く製造されたD51形蒸気機関車だ。
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↑この398号機は1940(昭和15)年に製造され、1973(昭和48)年迄働いた。

↓末尾には、嘗ては貨物列車等に見受けられた車掌車も連結されたようだ。これは関係者が乗込む場所なのだろう。
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機関車の「キ」、マックレー車の「マ」、ロータリー車の「ロ」、機関車の「キ」と車輌の種類に因んだ文字を組合わせて「キマロキ」である。軌道脇に堆くなった雪をマックレーで崩し、それをロータリーで遠くへ飛ばす。ロータリー車は「動けない機関車」というように凄く重いので、後ろから機関車で推す。そしてマックレーを牽引する。故に2輛の機関車に、マックレー車とロータリー車が挟まれた独特な編成となるのだ。

↓ここでは、殊にこの蒸気機関車59601号機が気に入っている。半世紀以上も働き続けた“大功労者”の勇姿が伝えられているのだ。
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↓反対側では各車の運転台辺りに梯子が掛けられ、中を観ることも出来るように展示されている。
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「名寄には、他にも色々と佳いモノや面白いモノが在る!」と些かの御叱りを受けるかもしれないが、それでも「名寄」とでも聞くと「コレ!」を思い出し、「あの勇姿に会いたい…」と時々名寄に立寄る。

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