札幌の地下鉄南北線の南側終点は真駒内駅で、その手前は自衛隊前駅だ。陸上自衛隊の真駒内駐屯地の眼の前に地下鉄駅が在る。古くは駐屯地の一部が「雪まつり」の会場になっていて、自衛隊の皆さんが造った大きな雪の滑り台や、雪の壁を組合わせて設えた迷路が在った。幼少の頃、親父殿に連れられて訪ねたという記憶も微かに在る。
その自衛隊前駅の辺りには明治時代に製造され、大正期から昭和初期に札幌の街を走っていた路面電車が観られる<札幌市交通資料館>が在る。そこを訪ねたのだが、真駒内駐屯地の広い敷地が見える辺りを歩いた。
真駒内駐屯地の広い敷地は、漫然と歩いても何となく見えるのだが、何か様子が妙だった。物々しい車輛が少し広い辺りを走行している様子が見えた。少し前に観た映画の『ゴールデンカムイ』に、騒ぎが起こった現場に駆け付けた敵役が「何事なのだ!?」と台詞を発する場面が在ったのだが、正しくその人物のように「何事なのだ!?」という言葉が口を突いた。
↓こういう車輛が走り回っていれば、如何に陸上自衛隊の駐屯地の敷地内とは言え、少し驚いて「何事なのだ!?」という程度に思ってしまう。
↓「第11旅団設立16周年・真駒内駐屯地開庁70周年記念行事」で真駒内駐屯地が一般開放ということになり、「展示」ということで車輛を動かしていたのだ。
↑北海道に多く配備されているという90式戦車(きゅうまるしきせんしゃ)だ。
↓履帯で走る車輛だ。車高を調整して、戦車砲の角度も変えられる。
↓砲塔が旋回する。
↓砲塔が逆を向いた。前と後ろとは違うにしても、戦車はどちらの方向にも自由に動き回ることが出来、状況に応じて色々な方向に戦車砲を向けて撃てる出来る訳だ。
↓砲塔は一周した。
↓間近で見るとなかなかの迫力だ。
「士魂」という部隊章が砲塔に描き込まれている。「第11旅団」という所属となるのだが、「十一」を縦に並べると「士」という文字になることに因んでいると想像した。実は、1945(昭和20)年8月の占守島の戦いで「第11連隊」という部隊が戦った。彼らは車輛等に「士」というマークを描き込んでいたという。これは「十一」を縦に並べると「士」という文字になり、、「武士」、「士魂」、「士道」という語に通じることに因んだのだと伝わる。占守島の戦いで使用された、当時の日本軍の車輛に関しては、ユジノサハリンスクの博物館で観ているが、そこにも「士」のマークは確り在った。
期せずして興味深いモノを拝見した。
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