↓「発車ッ!!」という大きな掛け声を受け、汽笛を鳴らして熊本駅を発った<SL人吉>は、秋の陽光に水面が煌めく球磨川沿いの軌道を進み、人吉駅に到着した…
↑蒸気機関車が牽引する列車だが、蒸気機関車が動いている場面は本当に「一生懸命に機関が働いている…」という雰囲気が感じられ、「御苦労様…ここまで乗せて頂いたことに感謝…」という想いも込めて、何となく眺めてみたくもなる…
↓ピカピカに磨き上げられてはいるが、機関車<8620形>の“58654”は、「大正生まれ」の御老体だ…しかし、「マダマダ儂は!」と意気軒昂な感じである…
↓熊本への折り返しに備えて補給等を行うため、“58654”は人吉駅近くの古くから残っている機関庫へ移動して待機する…
何かこの<SL人吉>が妙に懐かしくなった…「席が在る!?それは素晴らしい!!是非!!」と、小倉駅で喜び勇んで券を求め、強引に新幹線で熊本へ動いて夜を明かし、朝から熊本駅へ向かって乗車した時から、何時の間にか存外に長い時間が過ぎているが…この<SL人吉>の想い出は決して色褪せない…
一勝地駅に停車中の<SL人吉>(2015.10.23)
私は、興味の在る列車に関しては「走る勇姿を眺めたい」というのと「乗車したい」というのを同時に思ってしまう方なのだが…これを両立させるのは難しい…
しかし…<SL人吉>は各停車駅での停車がやや長い…そうなると「乗車したい」という想いを叶えると同時に、停車中ではあっても「勇姿を眺めたい」の想いも叶う。
↓「人吉までもう一息…」という辺りの一勝地駅で列車は少し停車する…
↑蒸気機関車の場合、駅で停車中であっても、蒸気や煙が出て「メカが呼吸している?」という感じが面白い…
最近、カラーのHDR画を整理して“フォトブック”を作成する機会が在り、何冊か作ったが、中に京都鉄道博物館で撮った蒸気機関車の画が多く含まれるモノが在った。そういうモノを視ていると…この<SL人吉>が酷く懐かしく思えたのである…そんな時のためにも…時々思い出して眺められるような写真を撮っておくことは、存外に大切なような気がする…
しかし…<SL人吉>は各停車駅での停車がやや長い…そうなると「乗車したい」という想いを叶えると同時に、停車中ではあっても「勇姿を眺めたい」の想いも叶う。
↓「人吉までもう一息…」という辺りの一勝地駅で列車は少し停車する…
↑蒸気機関車の場合、駅で停車中であっても、蒸気や煙が出て「メカが呼吸している?」という感じが面白い…
最近、カラーのHDR画を整理して“フォトブック”を作成する機会が在り、何冊か作ったが、中に京都鉄道博物館で撮った蒸気機関車の画が多く含まれるモノが在った。そういうモノを視ていると…この<SL人吉>が酷く懐かしく思えたのである…そんな時のためにも…時々思い出して眺められるような写真を撮っておくことは、存外に大切なような気がする…
熊本駅で待機中の815系電車(2015.10.22)
人吉駅の<肥薩線沿線観光之図>(2015.10.23)
新幹線の列車以外の、在来線で福岡県内等の九州北部から鹿児島方面へ移動するとなると…熊本県から鹿児島県の沿岸部に相当する肥薩おれんじ鉄道の列車を利用するか、日豊本線を大回りするか、さもなければ山間を通っている肥薩線を利用することになる。
これらの経路の中、肥薩線は「そこに鉄道が在ること自体が“歴史”、“地域の遺産”」という雰囲気が漂う経路だ。そうした認識の下に、魅力的な列車の運行が行われている…
↓肥薩線の主要な駅である人吉駅のホームには、こういう案内図が在る。一寸見入ってしまう感じだ…
この画を撮った時には、熊本から<SL人吉>に乗って人吉に着き、<いさぶろう>、<はやとの風>と乗り継いで鹿児島中央に向かったのだった…
何度かこの「人吉駅を経る肥薩線」を絡めて九州を縦断しているが…時々「妙に懐かしい…」という感じになる場所だ…
これらの経路の中、肥薩線は「そこに鉄道が在ること自体が“歴史”、“地域の遺産”」という雰囲気が漂う経路だ。そうした認識の下に、魅力的な列車の運行が行われている…
↓肥薩線の主要な駅である人吉駅のホームには、こういう案内図が在る。一寸見入ってしまう感じだ…
この画を撮った時には、熊本から<SL人吉>に乗って人吉に着き、<いさぶろう>、<はやとの風>と乗り継いで鹿児島中央に向かったのだった…
何度かこの「人吉駅を経る肥薩線」を絡めて九州を縦断しているが…時々「妙に懐かしい…」という感じになる場所だ…
雪が残る矢岳駅に停車中の<しんぺい>(2014.12.19)
熊本駅の<SL人吉>(2015.10.23)
“8620形”という蒸気機関車が在る…大正時代に製造され、全国各地で活躍した。樺太でも活躍したという機関車だ…
JR九州では、この“8620形”の1輛である<58654>をレストアして動くようにして、客車を牽引させる列車を運行している。<SL人吉>と名付けられ、熊本駅と人吉駅の間、肥薩線を往復している…
先人が苦心の末に開通させ、車窓の風景がなかなかに好い肥薩線を、「大正産れ」で「樺太でも活躍した型」の蒸気機関車が牽引する客車に揺られながら行く…「仄かな憧れ」が掻き立てられる…こういう列車に、普通列車に乗車出来る普通の乗車券と、何百円という次元の指定席券で乗車可能なのだ!素晴らしい…
という具合に素晴らしいのだが、素晴らしいだけに人気が高く、指定席が取り悪い…「ダメで元々…」と九州上陸を果たした小倉駅の窓口に立ち寄って尋ねてみれば…私一人が乗車可能な分の指定席券が、未だ残っていた!当然、それをお願いした…
↓夜の間に熊本へ移動し、迎えた朝に熊本駅に登場した<58654>の雄姿だ!!
古式に則っているのだろうが…発車時刻が近付くと、車掌はハンドベルを鳴らして乗客に乗車を促す…客車の扉を閉めて安全確認を済ませると「発車!!」と機関士に聞こえるように大声で呼び掛ける。それに応えるかのように力強い汽笛が辺りに響き、機関車が動き始める…客車内は「ガクん…」と“牽引”の列車に独特な揺れ方をする…街並みや山村の風景が流れ、沿線に居合わせた人達は「例の汽車が今日も現れた…」と注目し、笑みを零している人達も多い…
「ほんの少し前」のことだが…酷く懐かしい感じで、時々思い出している様子だ…
こういうような「愉しい思い出」と共に在る熊本が、大きな災害に見舞われてしまったとの報に気持ちを曇らせている。心よりお見舞い申し上げる。
JR九州では、この“8620形”の1輛である<58654>をレストアして動くようにして、客車を牽引させる列車を運行している。<SL人吉>と名付けられ、熊本駅と人吉駅の間、肥薩線を往復している…
先人が苦心の末に開通させ、車窓の風景がなかなかに好い肥薩線を、「大正産れ」で「樺太でも活躍した型」の蒸気機関車が牽引する客車に揺られながら行く…「仄かな憧れ」が掻き立てられる…こういう列車に、普通列車に乗車出来る普通の乗車券と、何百円という次元の指定席券で乗車可能なのだ!素晴らしい…
という具合に素晴らしいのだが、素晴らしいだけに人気が高く、指定席が取り悪い…「ダメで元々…」と九州上陸を果たした小倉駅の窓口に立ち寄って尋ねてみれば…私一人が乗車可能な分の指定席券が、未だ残っていた!当然、それをお願いした…
↓夜の間に熊本へ移動し、迎えた朝に熊本駅に登場した<58654>の雄姿だ!!
古式に則っているのだろうが…発車時刻が近付くと、車掌はハンドベルを鳴らして乗客に乗車を促す…客車の扉を閉めて安全確認を済ませると「発車!!」と機関士に聞こえるように大声で呼び掛ける。それに応えるかのように力強い汽笛が辺りに響き、機関車が動き始める…客車内は「ガクん…」と“牽引”の列車に独特な揺れ方をする…街並みや山村の風景が流れ、沿線に居合わせた人達は「例の汽車が今日も現れた…」と注目し、笑みを零している人達も多い…
「ほんの少し前」のことだが…酷く懐かしい感じで、時々思い出している様子だ…
こういうような「愉しい思い出」と共に在る熊本が、大きな災害に見舞われてしまったとの報に気持ちを曇らせている。心よりお見舞い申し上げる。