【連載】現今事情―サハリン (8)

劇映画やテレビドラマのような映像コンテンツを観て愉しむというようなことも好きだ。

映像コンテンツに関しては、日本国内のモノに限らず、外国のモノを愉しむ場合も在る。ここで話題にしているロシアのモノも好きだ。

ロシアでもソ連時代の昔から佳い映画は色々と制作されている。DVDソフトになっているような作品も多く在る。そういうソフトの中には、「稚内市の図書館」というような場所でも観られるモノさえ在る。

サハリンでも劇映画やテレビドラマのような映像コンテンツは色々と愉しむことは出来る。

ロシアでもテレビドラマの制作は色々と行われていて、新旧のドラマが色々とテレビ放映されている。ユジノサハリンスクに滞在し、滞在先に据えられたテレビでそういう新旧のロシアのテレビドラマを色々と観たのを覚えている。

幾つかのテレビドラマに関してはかなり気に入って楽しみに観ていて、地元の人達との話しで話題にしてみた記憶も在る。そして、場合によって「地元の人達以上にロシアのテレビドラマを愉しんでいる?」という妙な状況も在った。

そういうテレビドラマは、滞在している場所に在るテレビを視れば事足りる。他方で「ホールで観る映画」である。

サハリンの街では「文化センターのホールというような場所で映画上映」というようになっている場合も在る。が、ユジノサハリンスクには映画上映興行を専らとする映画館も在る。

↓何時頃から在るのか?少なくとも1980年代の写真が使われていたと推測される、1990年代前半に在った絵葉書で視たような記憶も在る程度の建物の映画館がこれだ。
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↑<コムソモーリェツ>という古くからの名前をそのまま使っている。

↓こちらも古くから在るが、館の前に新たに噴水が整備されたという場所である。
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↑<オクチャブリ>という古くからの名前がこちらも残っている。

因みに<コムソモーリェツ>は「共産主義者青年同盟」という、ソ連時代に在った青年組織の通称であり、<オクチャブリ>は「10月」の意味だが、ロシア革命の「10月革命」を指し示すソ連時代に多用された名称だ。要は、ユジノサハリンスクではソ連時代から映画館は街に整備されていて、体制が変わった後もそれは受継がれ、昔からの看板を掲げて現在でも映画上映興行が行われている訳だ。

サハリンの映画館だが、色々な作品が順次上映されている。

ロシア国内で制作される新作映画―ユジノサハリンスクに在る時、その種の新作ロシア映画で面白そうなモノを観る機会が設けられるのであれば、嬉々として映画館に足を運んだものだった…―の上映も在るが、時には古い名作を“名画座”か何かのように上映している場合も在る。そして色々な国々の映画も上映されている。日本国内でも紹介されている作品も上映される。そして日本の作品が上映される場合も無い訳ではない。現在時点で最も新しい例では、大人気アニメの『鬼滅の刃 無限列車』が上映されている。

ロシアの映画に関しては、ロシアの俳優が出演し、演じられている劇中人物達はロシア語を話している。(英語圏でも日本語の日本でも、そのほかの言語圏でもそれは同じであろう。)映画館で上映されている“外国映画”についても、劇中人物達はロシア語を話している。要は「吹き替え版」になっている。

外国映画に関して「字幕上映」というのは、日本では比較的多く在るやり方と見受けられるが、外国では「やや例外的」かもしれない。

随分以前に、ドイツ国内で映画館に入って<007>シリーズの映画を観てみれば、かの“ジェームス・ボンド”がドイツ語を話した!?国際諜報員という役柄なので、外国語を口にしても不自然でもないが、そうでもない。“ジェームス・ボンド”以外の出演俳優達が全てドイツ語を話した。英語の映画をドイツ語に吹き替えていたのだ。

ユジノサハリンスクの映画館で英語圏の映画を観たことが在るが、そこでは英語の人名“エリザベス”が“エリザベータ”、“メアリー”が“マリーヤ”、“ジェームス”が“ヤーコブ”とロシア語的に置き換わっていたので、少し不思議に思った。

もっと古い時期、1990年代位には“活動弁士”でもないが、1人か2人の人が外国語で発せられている台詞を説明する音声が入っているという不思議な方式も在ったが、最近ではそういうのは無い。日本国内で観る外国作品でも見受けられるように、各出演者に声優が割り振られて各々の台詞を発するようになっている。

↓話題にしたような様々な映画を観る、映画館のホールだ。
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↑最近の、日本国内の映画館と何ら変わらない感じだ。

日本国内の映画館?最近は専ら“シネコン”という按配か?ユジノサハリンスクにも在った。諸般の事情で2020年に閉じて現在に至っているようなのだが。他の場所は、上映ホールが1つか2つかである。

日本国内の“シネコン”で入場券を求める場合、ホール内で随意に着席する“自由席”になっている映画と、窓口で小さな画面のようなモノを見せられて席を指定して求める映画が在ると思う。これはユジノサハリンスクの映画館でも何ら変わらない。既に埋まっている席と空席とが判る画面が示されるので、空席から「このX列のX番」と指定し、席番が印字された券を購入するのだ。

↓こういう感じだ。券と、観た作品のチラシを並べて何となく写真に収めておいたのだった。
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↑チラシの映画は、第2次大戦期の独ソ戦でのレニングラードでの挿話を題材にした作品で興味深い内容だった。

ユジノサハリンスクは人口20万人程度の街だ。日常的に往来が在る隣りの地区や周辺を含めて人口30万人台の都市圏だ。こうして映画館の様子を見れば「普通…」という感じではないだろうか?

サハリンの街に関しては、もう随分以前から「サハリンってモノが在るの?」という問いが発せられなければならない次元にはない。「普通…」な都市の、「普通…」な暮らしが在るのだ。“映画館”という切口で、一寸御紹介してみた。

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